05/30/06

社外取締役と実務

取締役には、実務担当の各部長の兼任が多いと、昨日のコラムで書きましたが、これに関連して、最近はやりの社外取締役の功罪を、考えてみたいと思います。
わが国では、実務に精通していることが発言力の根源であって、実務の分からない「識見の高い人?」が何を言えるのかと言うことです。
競合他社の社外取締役では、実務に精通しているでしょうが、社内の秘密が筒抜けですから頼めません。
他方で、無関係な会社の成功者が、他社の細かい稟議文書について何をいえるのか?質問できるのかと言うことです。
会社の浮沈に係わる重大事件が発生したときには、大所高所から意見を求めることは、できるでしょうが、それは顧問制度でいいのです。
日常的な出店計画、工場設備の改廃等々の案件について、週1回の会議で何を言えるのでしょうか?
我々弁護士でもこうした依頼が来たら、困るはずです。
何も分らず、めくら判みたいな仕事になるなら断った方がましです。
10年位前に、入札適正化に関して、監視委員だったか適正化委員だったかの就任を求められたときに、委員こぞって、
「我々はときどき招集されるだけで、そんな大役は果たせない」
と言うことで、「適正化検討委員会」と名称を変えてもらって、(出来上がっていた条例だったか案だったかの変更もしてもらったのです)就任したことがあります。
適正化に向けて検討はできるが、監視まではとても出来ないのに、何かあったときに責任だけまわされるのでは、叶わないということでした。
お蔭様で、公共工事の入札の実態については、詳しくなりました。
世上、気楽に(実際は慎重に受任しているのでしょうから、外見から見た話です)よその会社の社外重役を引き受けている有名人がいます。
有名人である分、自分の仕事が忙しいのですから、会議のときだけ呼ばれていって、(2〜30分説明を聞いただけで)重要な案件に責任のある発言が、どうしてできるのか疑問です。
国会議員でも識見だけでは、議論できないので、各分野に精通する必要があって、文教族防衛族、税関係とそれぞれ専門化しているのです。
私は、日本では実務に精通する必要があるので、社外重役制度は無理があると思っています。



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