05/15/06
免罪符 と贖罪寄付(罰金併科)産廃法1
猥褻罪等も、実際は国や社会全体が被害者ですから、正確には被害者のない犯罪はないのですから、具体的な個人の被害者がいない犯罪と言うべきでしょうが、便宜、このように言い習わされています。
こうした場合、弁償する相手がいないので、犯罪利得をそのまま保有しないと言う反省の情を表すために、法律扶助協会や、慈善団体などに寄付して、宣告刑の寛大化を願う仕組みを贖罪寄付と言うのです。
ただし、現在では、いわゆる犯罪のいない類型では、その代わり汚職などは、追徴制度が整備されています。
更に上記のように猥褻物頒布の場合も、利得犯の場合は裁判所は、宣告に当たって罰金刑の選択もできますので、実際は利得を残さない制度にどしどし変更されているのです。
ただこの場合、併科ではないので、犯情が悪質だからと言う理由で、懲役刑を選択した場合、罰金刑を合わせて科することが出来ないのです。
併科とは、罰金刑または懲役刑と言うのではなく、両方とも科する・・・懲役・・・何年と罰金・・万円と言う宣告の仕方です。
産廃法違反などの経済利得目的の違反事件には、業者に利得を残さないと言う意味をはっきりさせるために、両罰(法人と代表者個人)だけでなく、併科規定が多いのです。
この機会に産廃法(略称です)の条文を、一部紹介しておきましょう。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
第25条 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1.第7条第1項若しくは第6項、第14条第1項若しくは第6項又は第14条の4第1項若しくは第6項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を業として行つた者
2.不正の手段により第7条第1項若しくは第6項、第14条第1項若しくは第6項又は第14条の4第1項若しくは第6項の許可(第7条第2項若しくは第7項、第14条第2項若しくは第7項又は第14条の4第2項若しくは第7項の許可の更新を含む。)を受けた者
3.第7条の2第1項、第14条の2第1項又は第14条の5第1項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分の事業を行つた者
4.不正の手段により第7条の2第1項、第14条の2第1項又は第14条の5第1項の変更の許可を受けた者
以下省略
第26条 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処す、又はこれを併科する。
1.第6条の2第7項、第7条第14項、第12条第4項、第12条の4第4項、第14条第14項又は第14条の4第14項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の処理を他人に委託した者
2.第9条の2、第15条の2の6又は第19条の3の規定による命令に違反した者
3.第9条の5第1項(第15条の4において準用する場合を含む。)の規定に違反して、一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設を譲り受け、又は借り受けた者
4.第15条の4の4第1項の規定に違反して、国外廃棄物を輸入した者
5.第15条の4の4第4項の規定により許可に付せられた条件に違反した者
6.前条第1項第14号又は第15号の罪を犯す目的で廃棄物の収集又は運搬をした者
25条は、無許可業者の処罰ですし、26条は、無許可で運搬したり、許可業者でも、許可された業者以外に委託した場合の処罰です。
これらは罰金で損をさせないと守られないことから、多額の罰金が併科される仕組みです。
その他細かく規定がたくさんありますが、今日はこのくらいにしておきましょう。
産廃業者と言うと何かおっかない感じの印象をお持ちの方が多いと思いますが、みなさんが自宅の浴室をなおしたり、床の張りかえを頼めば、必ず廃棄物が出るのですから、本当は皆さん誰もが関係のある話なのです。
産廃の話に深入りしていると、何のコラムだったか分からなくなりますので、別の機会に書くことにして、次回から話しを被害弁償と贖罪寄付に話しを戻しましょう。
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