05/11/06

知財保護の帰趨とその結果 1(パックスチャイナと世界の停滞)

こうして海賊版の横行を許す中国がせり勝って行った場合、あるいはジリジリと知財の対価が下がり、結果的にフリー同様の時代が来るかもしれません。
こうなると世界中で、産業の発達は停滞してしまうしかないでしょう。
ちょうど暴動・略奪に任せた場合、あるいは泥棒の処罰を止めてしまえば、まじめに働き、蓄財に励む国民がいなくなるのと同じです。
暴動掠奪に基礎を置く中華人民共和国成立後、同国が改革解放経済に転じるまで約30年間も停滞していたように、世界中が停滞してしまうのでしょうか?
中国共産党が、分配の公平を党是として政権を獲得した以上は、前進するための発展不均衡を是認する方向へ、舵きり変更がなかなか出来ず、約30年間にわたって、停滞していたことを、05/03/06「不均衡発展と内部矛盾12(中国の場合4)」以下で紹介しました。
今回も機会均等・富(知財)の公平な分配を大義名分として、世界の覇者になれば、同じくらいの期間、停滞を余儀なくされるかもしれませんが、もしもその程度ならば、人類の歴史から見て大した遅れではないでしょう。
それに、あまり忙しい変化も困ると言う人も多いでしょうから、この程度の停滞は、愛嬌と言うところでしょう。
ただ、今回中華人民共和国が約30年の停滞だけで、改革開放政策に変更できたのは、周囲の日本や台湾に大きく差をつけられてしまい、このまま国民に知らせず、唯我独尊を決めていられらなくなった、他律的要素が大きかったのです。
中国が、もしも世界の覇者になった場合、競争する外国がないのですから、いつ自律的に方針変更できるかは、保障の限りではないのです。
ここで、中国の歴史を見ることが重要ですが、これまで繰り返し紹介して来たように、中国では歴代王朝がその末期には、政権内の内紛で内戦が繰り返される結果、農民の流民化が始ります。
最後は農民の大暴動に繋がっていき、農民軍の領袖が(項羽の例でも分かるように、農民そのものではなく、結果は名門貴族・将軍層が担がれるのですが・・・・)天下を掌握して、新たな王朝を創始するのが常でした。
この意味では、財産の平等分配を党是とする共産主義の主張は、中国2000年の王朝末期に毎回噴出する暴動掠奪精神・・・中国人民の特性に合致していたのです。
新王朝では、何か新しい社会仕組みになるのではなく、再び前王朝と同じ体制の王朝が約300年にわたって続き、これがまた同じ理由で倒れては、同じ体制が繰り返されて清王朝の倒壊まで来たのです。
中国の歴史を見れば、中華人民共和国が僅か30年で方針変更できたのは、他律的要因によるだけのことで、これまで自前の考えで社会を改革前進させた経験がない事が分かります。
秦漢に始まる専制君主制でさえも、漢人が独自に考え出したとは、必ずしもいえません。
当時、既にこうした政治体制は中東地域では存在していたので、これの受け入れ・模倣でしかない可能性の方が高いのです。
一旦模倣したら、後生大事に抱えて来たのが、いわゆる中国2000年の歴史です。



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