05/10/06
知財保護と米中の角逐7(海賊と海賊版2)
海賊版の取締りに端を発するこの争いは、海賊行為でかく乱し、最後はスペイン無敵艦隊を破って(1588)世界の覇者に躍り出た、イギリスの故事が思い出されるのです。
信長による楽市楽座の制度が出来るまでは、「座」とか「ギルド」は、一定の水準を確保するために当然必要な制度のように思われていたのです。
しかし、これが一度破られてみると、無用な規制であったことが分かるように、パックスアメリカーナが終わって後の時代(もしかして?パックスチャイナ)になると、
「21世紀初頭は、知財保護に名を借りた特権保護時代であった」
などと言って、これを打破した中国の功績が大々的に讃えられ、歴史教育で教えられる時代が来るのかもしれません。
知財戦争・・・これはこれまで書いているように、新たな価値を認めて新しい秩序構築するか否かの戦争ですから、これを認めるかどうかの争いは、現在の宗教戦争・・国際法統一戦争の最たるものと言えるでしょう。
見方によれば、既に持てる国と持たざる国の争いともいえるものです。
これまで、05/02/06「不均衡発展と内部矛盾9(中国の場合1)、前後で中東や中国の革命と称するものを概観してきましたが、国内の政争の場合、持たざるものの暴動による掠奪が成功すれば、革命政府樹立ですし、失敗すれば単なる暴動として記録されるだけです。
国際社会では、戦争しかないので、植民地を持てる国に対し、もたざる枢軸国が挑戦したのが、第二次世界大戦となったのでした。
そして、第2次大戦後の米ソ冷戦は、まさに国内的に持てる者への挑戦を主目標として勝ちあがってきた共産主義政権連合と、持てる者の代表であるアメリカ陣営との戦いだったのです。
長期戦、政体の優劣とになれば、分配にしか主たる関心のない政体の方が、成長から取り残されて、ジリ貧になるのは当然でした。
この辺の違いについては、既に05/01/06「不均衡発展と内部矛盾7(中東の革命の順序2)」以下や、05/02/06「不均衡発展と内部矛盾9(中国の場合1)」以下等のコラムで、連載してきました。
普通の貿易戦争では、市場が勝敗を決めてくれるのですが、この知財戦争では、貿易・市場で決まるのではなく、強制力に頼らざるを得ないルールそのものですから厄介です。
それにしても、経済制裁・・ひいては武力によらずに勝敗が決まるのを望むばかりですが、市場競争で勝敗を決めるとすれば、これまで書いているように対価の決め方に帰着するでしょう。
あまり、高いと後進国や中進国では、ボイコットして、海賊版のほうをこっそり買うことになってしまうでしょうから、市場経済が落ち着く所に落ち着かせることが出来るのでしょうか?
アメリカがナポレオンの大陸封鎖令のように、一定値段を押し付けて強制するのは、限度があるでしょう。
この関係を次回に見て行きましょう。
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