05/08/06
現在の立地条件7(知財保護の重要性2と米中の角逐1)
前回までのコラムで紹介したように、大量生産そのものの競争では、機械化の進展で、後進国も先進国も、国際援助でインフラさえ整備できれば、能力差が殆どなくなって来ましたので、長い間には消費地の消費量に比例した現地生産になっていくのでしょう。
こうなると、先進国の相対的豊かな生活水準を維持して行くには、大規模生産力に頼るのではなく、重要な発明や着想に対しての対価を求める必要が生じてきます。
莫大な研究費用をかけて開発した途端に、折角の労作が、盗用されたのでは、先進国はやっていけないのです。
医薬品を見れば分かりますが、膨大な実験(治験)が必要なのです。
出来あがった途端に真似されたのでは、先発企業は持ちませんので、世界の発明発見が停まってしまうでしょう。
映画フィルムのコピーその他知的産業・・デザインなども同じです。
アメリカが、先進国の利害代表として知財保護に必死になっているし、他方で、こればかりは簡単に誘致できないので、中国では後進国の代表として海賊版で対抗しているのが、現在世界の大雑把な図式でしょう。
小泉政権は、勿論アメリカべったりですから、日本が弁護士大増員に舵を切ったのは、アメリカのこの知財保護の先兵としての利用法に目が向いたからでしょう。
知財保護は言うまでもなく経済利益確保のためですから、刑事処罰をしてくれるだけで模倣された企業が損のしっぱなしでは、おさまりません。
平行して弁護士による損害賠償請求や仮処分が必須ですから、この方面で活躍する弁護士の存在が欠かせません。
仮処分制度と言うのは、刑法で言えば事前禁止・発禁処分ですから、刑事でやるのは、きつすぎる場合が多いばかりか、国家が隅から隅まで、目を光らせ切れません。
企業や、被害を受ける個人に任せれば、自分の損得がかかっているので、自衛のために、事前情報の探知行動も素早くて効率が良いのです。
こうして、民間の企業自衛活動として、民事の仮処分制度が、発達したのです。
公害問題でも、日照権でも、建築関係の違法工事禁止仮処分でもそうですが、被害者は役人が全部が全部に目を光らせ切れない点をついた悪者の摘発役にもなってきたのです。
刑事告訴も弁護士の重要な仕事です。
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