05/26/05

いわしと産業革命6(製鉄所と製糸工場の役割4)「パックスアメリカーナ」5

これまで書いて来たように、製鉄所と言っても維新当時としては大した役割を果たしたわけではないのですが、明治維新の近代化というと、如何にも官営製鉄所のお陰で、日清、日露戦争に勝ったような感じで、八幡製鉄所の写真などが教科書に載るのです。
「鉄は国家なり」と言う軍国主義教育時代の名残そのままと言えるでしょう。
学校で習う近代化といえば、八幡製鉄所や鉄道の敷設などばかりを正面に据えて、繊維産業隆盛についてはホンの隅っこで、女工さんの働く工場風景などを載せる程度です。
戦後労働側の立場強化によって、女工哀史など労働者の悲惨さの強調ばかり取り上げられ、積極的なプラスイメージを作り難くなっているのです。
しかし、木綿産業の国際競争力こそが、外貨を稼ぎ、その外貨のお陰で近代化に必要な高級お雇い外国人の招聘や俊秀の留学に始まり、その他の軍事用品や資材輸入が出来たのです。
木綿産業の存在こそが、産業革命にいち早く参加できた近代化の要因であり、日清戦争、日露戦争も?などを勝ち抜けたのですから、教科書で教えるべきはこちらの方でしょう。
製鉄所があったから、日清・日露の戦争では勝てたのではないかと思う方が多いでしょうが、これまで書いて来たように日清戦争どころか日露戦争当時でさえ、軍艦や大砲を最新式のものを輸入していたから勝てたのであって、製鉄所や鉄道があったので、勝ったのではありません。
誰の意見かわかりませんが、
旧日本海軍連合艦隊旗艦三笠と言うグーグルのキャッシュの引用です。
「ロシアとの戦争を覚悟した日本海軍は、鋼鉄戦艦6隻、1等巡洋艦6隻を基幹とする拡張計画を実現した。6隻の戦艦と巡洋艦のうち4隻は英国製である。主力艦としての「三笠」は、英国ヴイッカース社バーロー工場で起工され、明治35年竣工した。」
と書かれていますので、引用させていただきました。
日露戦争時でも、軍用機材の購入・資金調達力と兵器を購入出来る同盟関係・国際交渉の成功のほうが勝敗を分けたのです。
これまで、03/27/04「平和憲法と国の安全9・・・憲法55(パックスアメリカーナ時代の戦力とは?3)」やその他あちこちのコラムで書いて来ましたが、わが国の安全を守るのは、自前の軍事力強化だけではなく、世界秩序に従い、孤立しないことが必須なのです。
世界秩序に従うと言えば、結局はその時々の最強国の作る秩序と殆ど同義となり、
    「なあんだ、強い者に従うだけのことか!」
と言うことになりますが、全世界を敵に回しては強国も存立できませんから、結局正義・その時々の世界の正義感に合致して行動することではないでしょうか?
現実とは、結局そういうものでしょう。
そこで、強国にあまりへこへこせずにそれなりの正義に従い、強国の論理が人道に反するときは、昔の言葉でいえば、諫言する程度の骨を持って行動できる国力をもっている(一目置いてくれる)のが理想でしょう。



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