05/26/05

軍事同盟の今昔と製鉄所の役割 3「パックスアメリカーナ」4

イラクは既にアメリカの軍門に下り、リビヤもアメリカとの協調に転じましたが、いまだアメリカ式秩序に反抗しているのは、世界中で北朝鮮のみというところですが、金正日氏がわが国の東条英機のようにならなければいいですね。
明治維新以降、国産の製鉄所があったから、徐々にいろんな機械の国産化が進み、第2次大戦前には戦艦を組み立てられるところまで進んでいたのは大したものでした。
丸ごと買わなくても良かっただけでも、めでたいのですが、高性能戦艦、大砲、戦車、戦闘機に使用する肝腎の高級部品や高級鋼鉄などはまだ国産化出来ていなかったのです。
米英と手切れになってから(日米通商条約も破棄されました)戦時中にかけては、必死になって部品製造に励んだでしょうが、技術的に何とかなった場合でも、結局はその資源輸入の隘路もあって、似た様なものを作るのがやっとだったのではないでしょうか?
どうしてもほしい材料が入手できないので、「似たような性能をもつもので間に合わせた」と言う類の経験者の苦労談はいくらもあります。
要するに、2級3級の粗悪部品で代替していたのですから直ぐ壊れたり、思ったようには機能しなかったというわけです。
30年程前に日米鉄鋼輸出摩擦がありましたので、製鉄関係ではもうとっくに日本がアメリカにも勝ってしまい、世界の最先端で最高級品も作れると思っている方が多いと思いますが、内実はそこまでは行ってないのです。
4〜5年前にCDの製造装置の設計ミスの事件を担当したことがありますが、高熱処理に耐える特殊金属は「ニオブ」とか言ってベルギーかドイツか忘れましたが、輸入品を使うものでした。
これが高価なので、国産で似た性能のものを使っていたのです。
NECその他日本で1杯作っているように見えるパソコンその他も、心臓部はまだアメリカ製が多いのはご存知のとおりです。
ましてや、最先端の特殊能力を要求されるロケットや、誘導弾その他の兵器の部品に使えるようなものについては推して知るべきでしょう。
日本でしか造れない材質もあって一部アメリカ軍にも供給しているのでしょうが、全体からみれば九牛の一毛と言う所でしょう。
前回のコラムで紹介した自動車用の「自動車加工性熱間圧延高張力鋼板」と言っても、要するに大量生産・普及品の中の高級品を作っている段階でしかないのす。
民生品でさえ、鏡などの高級品を取り寄せようとした所、結局ベルギー製になったことは、いつだったかのコラムで紹介しました。
時計でも板ガラスでも、普及品の高級化ばかりでは、多寡が知れています。
レストランでもそうですが、貧しさから脱却したばかりのときには立派なビルの一流チエーン店(全国どこでも同じです)で食事するだけで満足でしたが、さらに進んでくると個性的なレストランの方が良くなるのと同じです。
01/11/03「文化発信国家へ(教育改革の方向)1」以下で連載しましたが、日本もこれからは普及品の高度化だけでなく、手作り高級品で勝負する文化発信国家に変身して行く必要があるでしょう。
話を戻しますと、ともかくニッポンは次第に普及品の鉄や大砲を造れるようにはなっていたものの、第二次大戦ころになっても独自に最新兵器をその部品・・材料まで一貫して継続的に作るだけの能力には至っていなかったのです。



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