05/24/05

国際紛争解決手段としての経済制裁(憲法111)戦争の放棄

要するに、瀬戸際外交に頼る北朝鮮にとっては、日本はいくら図体が大きかろうとも戦争決定権がない以上は、アメリカの属国であって、主権者ではないだろうし、そんな国を相手に話は出来ないと言うわけです。
ただ、実際の政治は、日本には戦争開始の決定権がなくともアメリカに対して大きな影響力がありますので、アメリカも日本の意向を無視して協議できないのでいっしょにやろうと言うわけです。
北朝鮮は古来から単純な専制王朝政治しか知りませんので、こうした複雑な政治過程は理解し難いのでしょう。
あるいは、既に世界中が卒業している戦前の価値観から、まだ抜けきれていないとも言えるでしょうか?
しかし、日本も北朝鮮にコケにばかりされて黙っていられませんので、自分で出来る範囲の報復、すなわち経済制裁に踏み切ってやろうじゃないかと言うのが、このところの一部元気のいい政治家の動きというわけです。
しかし、経済制裁は、武力行使ではないものの、自国の主張を通すためにする以上は、形を変えた実力行使に外なりません。
憲法前文で言う所の 

「・・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」

行動し、しかも第9条で

「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」

とまで謳っている精神に反しませんか?という疑問があります。
国民の殆どが怒っているからいいのだというだけでは、何のために憲法があり、何のための道義かも分ららなくなるでしょう。
国民こぞって怒っているときにこそ、冷静に紳士の道を探って大人の対応を出来てこそ、成熟した社会と言えるのです。
憲法前文や第9条は、怒った場合に分別をなくさないように、予め決めてあるのではないでしょうか?憲法の条文も紹介しておきましょう。

第2章 戦争の放棄
 
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」

経済制裁は日本の出来る唯一の実力行使ですから、北朝鮮は、日本が自国の主張を通すために経済制裁に踏み切れば、戦争宣言とみなすと息まいているのですが、これはこれで結構論理一貫しているのです。
経済制裁と武力行使は、意味が違うと言う方が多いと思いますが、例えば、ある経済制裁で、経済困窮国の餓死者が100万人出る場合を考えると、半端な武力行使よりも被害が大きいことがあるのです。
北朝鮮にとっては、現在の困窮度合いから見て、経済制裁を受けるのは死活的問題ですから、国境争いの小競り合いよりも大きなダメージですから、本格的戦争行為による攻撃を受けているのに匹敵するでしょう。



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