05/23/05
近代戦と戦争遂行能力1(零式戦闘機)主権と男の沽券
今でも、戦前よりももっと大幅に日本はアメリカから最新兵器(言ってもアメリカ軍から見れば1,5流程度の1ランク下のものでしょう。)をほぼ100%継続的に供給してもらっています。
日本の技術力をもってすれば、太平洋戦争開始直前のゼロ式戦闘機のように、アメリカ供給の最新兵器を研究してより優秀なものを単発で造ることが出来るかも知れません。
しかし、その重要部品が殆ど全てアメリカ供給で、(しかも、昔と違ってブラックボックス化しています。)一定期間の演習用に使用した消耗品の補給や、故障の補修用程度しか在庫がないのですから、ドンパチを始めれば直ぐに在庫が底をつくのです。
アメリカとの雲行きが怪しくなってから、戦端を開くまでには期間がありますので、そのうちに膨大な部品の内かなりの部分が国産化できるようになったとしても、全部が全部、国産化するのは難しいのです。
太平洋戦争直前も、同じ発想で必死に頑張ったものでしたが、造り方を何とかマスターしてもそのまた高品質材料自体の入手・国産化となると気の遠くなるほど遠い話だったのです。
刀槍を振り回す昔と違って今の在庫圧縮時代では1週間も戦争が続けば、矢張り、部品補給・・・似たような材質の材料のやりくりで、何とかしたのが太平洋戦争でしたが、それではあとが続かなくなるでしょう。
在庫と言っても練習用に使用する飛行機などの品質管理用の部品補給程度しかないのですから、戦闘で次々と破損した飛行機や船が戻ってきても、その修理や取替え用の部品は全くないと言ってもいいのです。
こんなわけで、近代では兵器体系が独立していない限り、兵器供給国の事前了解なしに戦争を出来ない宿命の時代です。
戦争はしないに越したことはありませんから、「それでいいじゃあないの!」というところですが、矢張り誰かと喧嘩するかどうかを自分で決められないのって、どこか変な感じがするものです。
イザと言うときに、刀を抜いていいかどうかを決められない武士みたいで、これでは武士の沽券にかかわるでしょう。
1人前の男子が喧嘩する段になって、
「お母さんに相談してくる」
と言うと、お笑いになるのと似ています。
(03/28/04「男の沽券(沽券)・面子(めんつ)とは?1(売買証文)」以下の連載で紹介した男の沽券の世界でしょう。)
関連ページリンク
稲垣法律事務所コラム内:イギリス、英国、英帝国、コモンウエルスに関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:米国、合衆国、アメリカに関するコラム
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
