05/22/05

「パックスアメリカーナ」2(核の傘とは?)

日本からすれば、英仏の行動は、
  「植民地主義の残滓であって正義に反するから、アメリカは応援できなかったのは、仕方ないじゃないの!」
と思うのですが、当事国にしてみれば、ソ連に脅されてすごすご引き下がらなければならなかった屈辱は屈辱でしょう。(右翼にしてみれば、切歯扼腕と言う所です。)
英米の呼称が戦後米英と変わったように、19世紀の英仏の時代が20世紀になって米ソの時代になったことを思い知らされた瞬間でした。
このときの恨みが、英仏の独自兵器開発へのこだわりとなって、今でも頑張らせているのです。
以来、英仏は費用対効果を無視して、原水爆製造保持に邁進し、戦闘機でもアメリカ製に頼らず、ミラージュ戦闘機(最近ではラファール)にこだわり、イギリスも垂直離着陸機ハリヤーなどが有名です。
このときの恨みが、現在のアメリカのイラク侵攻への不同意や、EUに結実しているとさえ言えるでしょう。
北朝鮮の核武装、大陸間弾道弾などの装備が進んだ場合、日本もこれに対抗するための再軍備が議論に上ってくる可能性があります。
日本もアメリカの核の傘に頼っていますが、「血は水よりも濃い」と言われる「英」仏でさえ、自国の危険を心配して守ってくれなかったアメリカが、人種構成も全く違う日本を本当に守ることはありえないのではないかという疑念です。
北朝鮮或いは中国やロシアが
   「日本とだけ戦うのであって、アメリカには大砲を打たないと通告している場合」
   (これが普通でしょう)
本当にアメリカは、日本のために即時に核爆弾をを打ち返してくれるのかと言う疑念です。
   「自国民に何の危険もないのに、そこまでは出来ない。」
と言うのでは、核抑止力とは言うものの、結局は自国防衛のためでしかないことになります。
自国防衛だけの核抑止力ならば、アメリカ一国だけ(既存の保有国を含めて特定国だけ)がもっている理由がありません。
全世界中の国が、平等に核と運搬手段を持たなければ、かえって平和が保てません。
核の傘は自国政府が持っていてこそ、国民はその傘を信用し、傘の下に入れるのです。
既に、テボドンの発射実験に際しての情報通告に関して、不満を持つ一部論者から
    「日本は独自の情報衛星を保有すべきだ」
と言う議論が出ています。
アメリカは、こうした動きに気を使って、最近は情報提供に気を使っているようですが、今回の北朝鮮の核開発や長距離砲の開発に対する扱いを誤れば、日本では独自の核開発を含めた軍備論が出て来るのを防げないと思われます。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

稲垣法律事務所コラム内:イギリス、英国、英帝国、コモンウエルスに関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:米国、合衆国、アメリカに関するコラム


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資