05/22/05

「パックスアメリカーナ」1

ただし、右翼国粋主義者に怒鳴り込まれないように書いておきますと、第1次大戦後第2次世界大戦直前までは、戦艦建造競争の時代でしたが、日本は既に独自に戦艦を造れるようにはなっていました。(戦艦武蔵や長門等々ご存知のとおりです。)
ただし、折角の帝国海軍の栄光に水を指すようですが、肝腎の強度確保のために必要な高級鋼鉄類・あるいは重要部品はイギリスやアメリカから輸入しなければならなかったのです。
ワシントン軍縮条約で建艦比率が定められると、輸出制限を受けたので必要量しか輸入できず、その制限を守らざるを得なかったと言う時代が続いていたのです。
今でもイスラエルや台湾の軍事力といっても、結局はアメリカから最新式の兵器の購入・供給を受けられるかどうかにかかっているのは、周知の通りです。
子供のころは軍事援助というと、本当の援助・ただに近い費用で貰えるのかと思っていましたが、軍事援助というのは相応の国際価格で注文したら、最新兵器を売ってもらえると言うだけの話です。
そして最強国であるアメリカからどのレベルの兵器を買えるかがその国の隣接国に対する優位性を規定するのですから、結局はアメリカの匙加減で世界ランキング10番だったり15番だったりすることになります。
こうして隣国と張り合うためには、アメリカのおぼえめでたければ隣国よりも少しでも性能の良い兵器を売ってもらえると言うことで、(勿論経済力の範囲ですが・・・)何事もアメリカの覚えめでたくしておく必要が生じるのです。
但し、戦端を開いてもドンパチすれば消耗品が多いので、直ぐに補充が必要になりますので、自分の方に優先的に補充兵器の供給を約束してくれないと1週間も続きません。
そこで、結局はいくら相手よりも半歩進んだ兵器を持っていても、アメリカの承認なしには戦端を開けない仕組みになっているのです。
これがいわゆる「パックスアメリカーナ」の現実です。 
フランスなどが飽くまで自国兵器開発にこだわるのは、こうしたアメリカ支配に組み込まれるのを嫌ってのことと理解できます。
例えば、兵器3流の国でも、自前で部品まで完全に自給している場合、アメリカにお伺いを立てなくともアメリカが相手の味方にさえならなければ、4流以下の国とは独自の判断で戦えます。
この手の思考で戦ったのが、イギリスとアルゼンチンのフォークランド紛争(戦争)でしょう。
もっと古く遡れば、ナセル大統領のスエズ運河国有化宣言に対し、英仏が利権を守るために出兵したスエズ進駐(侵攻)作戦でしょう。
このときは、兵器第2位のソ連(現ロシア)がアラブ側について、直ちに撤退しなければ、大陸間弾道弾をお見舞いしてやると息巻いたのですが、これに対し、アメリカが、ソ連と戦端を開いてまで英仏を守ると言わなかったのです。
原爆を見舞われたのでは叶いませんから、英仏は涙をのんで撤退したのですが、これでは何のためにアメリカと同盟(北大西洋条約機構)しているのか分らないと言う気持ちになるのは、無理からぬところです。



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