05/16/05
究極の機械化と国際競争力(人材の重要性2・弁護士の場合))
我々弁護士業務もそうですが、ある分野の事件が大量発生して弁護士が悪戦苦闘して解決の道筋を創作していきます。
そのうち、その解決法がルーテイングワーク化すると、弁護士業務からはずれてそれぞれ保険会社の担当者などの仕事になって行くのです。
たとえば、昭和40年代に大量発生した交通事故の損害賠償交渉が、昭和50年代から詳細な当てはめ表が出来上がったので、保険会社のァジャスターと呼ばれる担当者の仕事になっていて、イレギュラーな事件だけが弁護士依頼事件になっています。
また、住宅街に居住用高層ビル・マンションが建つようになリ始めた昭和40年代末ころから日照権の被害がクローズアップされましたが、これも裁判紛争を経て、建築基準法や自治体の条例で日影制限などの対策が取られてから、紛争は終結しました。
ヤミ金対策などのハウツーものが氾濫していますが、我々プロである弁護士にとってはそうした書物はそれほど役には立ちません。
院内感染に対する耐性菌の発生と同様で、ヤクザや違法集団に対し、「このように対応してうまくいった」式の本のとおりやっても、相手も既に対応してきますので、同じやリ方がいつまでも通用するものではないのです。
本になるのは原稿を書いて出版までの相当期間が掛かるのと、その弁護士の経験の収集期間などあわせると既に年単位の時代遅れがあるのが普通です。
そんな1〜2年前の古い成功体験が、役立つのは稀なケースとなっているのが現場と言うものです。
本に書いていることしか分らないという弁護士ばかりになると、違法集団に手もなくひねられてしまうでしょう。
弁護士というと、6法全書を丸暗記している集団かと誤解している人が多いのですが、求められている能力は、ルーチングワーク化する前のクリエイチブな能力なのです。
法科大学院の卒業生が来年から出てきますが、能力の劣化が我々の世界ではすごく心配されています。
少子化で学生の減少していく大学側の必死の要請と言う所でしょうか?
資格試験なのに、成績如何にかかわらず一定量の合格を政治圧力で事実上強制されている変な試験になっているのです。
これでは人材の劣化が防止できませんから、今後弁護士の事件解決能力が低下し、社会的地位が低下していかざるを得なくなるでしょう。
鉄道の安全対策のように機械化で補うことが出来ない分野ですから、問題です。
弁護士の地位低下は政府の長期的陰謀かも知れませんが、実際に能力低下していくと国際競争力が問題になって来るでしょう。
但し、合格者数を増やすだけなら従来とおり能力の高い人も合格してくるので、レベルの低い人は国際競争に参加しないだけでしょうから、上位者と下位者に分裂していくだけというところかもしれません。
要するに、今までは弁護士というだけで均質の能力が保証されていたのが、今後はばらつきが出るということで、市民の選別能力、弁護士側で選別に必要な情報開示が重要になってくるのでしょう。
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