05/16/05
究極の機械化と国際競争力(人材の重要性1)
イギリスはこうして順次工夫しているうちに、ついにはインド綿を圧倒してしまい、逆にインドをイギリスの市場にしてしまったのが、イギリスを世界の工場に押し上げた要因です。
こうした歴史をみると、賃金の安い中国が解放され世界競争に参加したからと言って、案ずることはないのです。・・・?
イギリスが経験済みですので、日本も相応に知恵を絞って頑張れば何とかなるようでもあります。
但し、機械化が進めば進むほど後進国が有利ですから、日本が勝ち残るには、優秀な人材の輩出こそが命です。
20年程前から日本の工場はロボット化していて最先端であるから、簡単に低賃金・後進国に負けない、或いは、さらに機械化して低賃金に負けない体質にして行こうという報道が多かったのですが、私は逆の考えでした。
ロボット化の究極の形を想像すれば直ぐ分るのですが、仮にある製品を作るのに今は1000人必要な工場があって、これの自動化が進み100人で足り、更には10人、最後は1人で足りる時代が来た場合を想定しましょう。
こうなれば、何が競争力を制するでしょうか?
その自動生産装置は世界中どこへでも持っていって据え付けられるのですから、消費地に近いか原材料地に近い、地代や電気水道・運輸などのインフラコストの高低等外的要因にかかってきます。
たった1人や二人の人件費(マレーシャなどへの赴任手当てを払っても)など物の数ではありません。
日本で10万坪の工場用地を手当てするよりも、後進国で手当てすればただみたいな値段で入手できます。
すでに何万坪の国内工場用地を持っている場合でも同じです。
国内工場を売って巨額資金を入手してその100分の1の資金で新しい工場を海外に造った方が簡便でしょう。
もっとも実際には、このような極端な行動を取れませんから(社員の処遇など)国内のいくつかの工場を順次縮小していく形になるでしょうが、将来的にはそうなると言うだけの話です。
このように、損益の基本が人材でなく外的物的要因に掛かるとなれば、工場立地は長期的には適地生産の原理で需要地にシフトせざるを得なくなるでしょう。
機械化が進めが進むほど、熟練工である必要が低くなって高賃金の日本人である必要もなくなります。
結局、100%機械化が進む場合を想定すれば、世界中が同じインフラコストに経済学的には、収斂していくことになるでしょう。
この先行事例が、海運業といえるでしょう。
実際の完全自動化は遠い将来でしょうし、ある分野で仮に完全自動化が達成されたとしても、その前段階の工程・・・・自動化機械・ロボット製作等を含めて・・・・はまだそこまで行かないのが普通です。
部品工場が自動化したとしても、その前工程・・・さらには先々工程が必要になるので、この関係はどこまで行っても同じでしょう。
結局は、外国よりも高賃金を維持しようとするならばルーチングワーク化しない先々工程その他のソフト分野で差をつけていくしかないのでしょう。
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