国民年金法 18・・・改革の視点5(一般保険と年金の違い)
生命保険、損害保険でも、保険料を払わない人は放って置けばいいのであって、未納者問題は単に客離れ、経営の拙劣が問題になるだけであって、こなくなった客を追いかけて請求したり、何故、最近払わないのか?追及することはありません。
まして、免除者の認定に苦労する必要は、全くありません。
未納者は自動的に失格してしまい、保険事故があっても払わないだけです。
フィットネスクラブでも、ゴルフクラブでもデパートその他のカード会員でも同じでしょう。
経営者にとっては、客離れの反省が先ずあるべきものです。
保険と言うのは掛け金を払ったのに見合った保険給付を受けるのが本質ですが、公的年金制度は(政治家の圧力で?)いろいろな需要に合わせて不透明にしてきた結果、所管大臣でさえ訳が分らなくなるほど複雑になってしまったのです。
政治圧力でゆがめた結果、国民に批判され難いように、納付と受給権の関係を見え難くするしかなかったのでしょうが、これが限度を越えてくると、国民から不信感をもたれるようになったといえるでしょう。
納付と受給関係を透明化していくと、本来は生活保護ないし周辺福祉制度で出すべき支出を、年金財政から賄っているごまかしが見えてきます。
税金化しようとする意見は、この誤魔化しを正当化して正面にもってこようと言うのでしょうが、こうしたやり方は政策担当者の責任を逃れるための開き直りでしかないし、年金制度の自殺行為になる可能性があります。(後に書くように、本当はこれを狙っているのかも知れません。)
年金保険制度というのは、保険と積み立て貯蓄の複合体が本質でしょう。
年金と言うのは、基本的に老後生活費のための積み立てでしょうが、誰も自分の寿命がわからないために、その不安定・予測不可能性部分が保険的性質を帯びるだけです。
個人の貯蓄に頼ると、何年分積み立てておけばいいのか分らない不安があるのです。
一般の保険のように、予測不可能な事故(地震など)による甚大な被害をみんなで負担する仕組みではないのです。
以前、11/09/02「条件と期限(民法6)1」以下3回の連載で期限と条件の説明をしましたが、年金保険は、必ず到来する期限の中でいつか分らない不確定期限のリスクを保険でカバーするだけなのに対し、一般の保険は、期限だけでなく発生するか否かさえ不確定であるリスクをみんなで保険しようとするものです。
生命保険は「人は必ず死亡するから、いつか分らないだけの不確定期限でないか」と思うでしょうが、大方の場合には保険期間が20年とか限定されていますので、この期間中に死亡するかどうか明らかでないのですから、生命保険契約も不確定期限ではなく「死亡したら」と言う条件でしょう。
こうして一般の保険の場合は、予測不可能な災害や事件の発生を、統計処理だけで採算を計算するのですから年金よりもずっとリスクが大きいのです。
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