05/07/05

国民年金法13と生活保護法2(憲法109)

ついでにもう少し国民年金法と生活保護法の違いを見ておきましょう。
国民年金法では、
   「・・・・生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、・・・」
となっていて、既存の安定した生活が存在する前提とし、この予防であるのに対し、生活保護法では、
  「・・・生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに・・・」
となっていて、既に困窮する国民の保護が目的になっているのです。
およそ保険と言うものは、健全なときに加入しておいて、何か危急事態が生じたときはその掛け金の積み立てた中からその被害者に給付をして助け合おうとするものです。
保険の中でも年金保険は、原則としていつ発生するか不明の危険に対するものではなく、将来必ず生じる老齢化というものに対する備え、老後の貯蓄組合的な機能を本質とするものでしょう。
「原則」と言う意味は、寡婦年金や障害年金を含んでいるから不測の事態を想定しているのと、「的」と言うのは、誰でも老齢化はしますが、その前に死亡する場合もあるからです。
この中で、障害年金は年令にかかわらず発生するものですから、給付が分割方式であるというだけで、年金制度に組み入れているものであって一種の生活保護が混入しているものと言えるでしょう。
とりわけ、20歳未満の障害年金の場合は、最早保険とはいえないでしょう。

条文を紹介しておきましょう。

第三十条の四
疾病にかかり、又は負傷し、その初診日において二十歳未満であつた者が、障害認定日以後に二十歳に達したときは二十歳に達した日において、障害認定日が二十歳に達した日後であるときはその障害認定日において、障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に障害基礎年金を支給する。
2 疾病にかかり、又は負傷し、その初診日において二十歳未満であつた者(同日において被保険者でなかつた者に限る。)が、障害認定日以後に二十歳に達したときは二十歳に達した日後において、障害認定日が二十歳に達した日後であるときはその障害認定日後において、その傷病により、六十五歳に達する日の前日までの間に、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至つたときは、その者は、その期間内に前項の障害基礎年金の支給を請求することができる。
3 第三十条の二第三項の規定は、前項の場合に準用する。

こうした会費を既に払えない人の中には、生活は普通に出来るが保険まで払うことの出来ない人と、困窮度が高くて生活することすら出来ない人がいるでしょうが、既に破綻している人の「最低生活を保障する」ために生活保護法があるのです。
それぞれの法律で憲法が引用されていますので、ついでに憲法を見ておきましょう。

憲法25条一項は「健康で文化的な・・生活を営む国民の権利」としてかかれています。
2項はこれを受けて国の責務を書いたものでしょう。
国民年金制度は25条第2項の理念に基づきとなっていますが、2項の中には社会福祉、公衆衛生等いろいろありますが、年金制度は「社会保障」の理念から出来たものでしょう。
これに対し生活保護法は、「憲法第25条に規定する理念に基づき・・・」とあって全条文を受けています。
どちらかと言えば、第1項の「最低生活を営む権利」の保障を意識し、第2項の国家の責務としての制度保証をしたものといえるでしょう。
憲法を見ましょう。

憲法
第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。



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