05/07/05

国民年金法12と生活保護法1

前回のコラムで見たように「生活保護者等は年金を払えないから免除すべきだ」と言う、一見弱者にやさしい議論はどこかおかしいのです。
生活保護でずっと来た弱者は、65歳になっても生活保護を続ければ良いだけではないでしょうか?
何故、払わない人や払えない人にも、払った人の蓄積である年金から支給しようと言うことになるのでしょうか?
年金がなくて老後困る人が出れば「可哀想だから」というのでしょうが、元々公的年金制度というのは、国民の自助努力を政府が応援しようと言うだけの話であって、自助努力できない人を目的にした制度ではありません。
もう1度国民年金法を見ましょう。

国民年金法 (昭和34年[1959年]4月16日 法律第141号)
第一章 総則
(国民年金制度の目的)
第一条
国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。

国民年金制度の目的は「憲法25条2項の理念に基づき・・・・共同の連帯によって・・・・」とされています。
生活保護法との比較をしてみましょう。

生活保護法(昭和二十五年五月四日法律第百四十四号)
昭和二十五年五月四日
平成六年六月二九日法律第五六号
第一章 総則
(この法律の目的)
第一条 この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活
に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行
い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを
目的とする。

生活保護法は同じく憲法の理念によるものの、「共同の連帯によって・・・」という言葉がありません。
年金制度は、生活保護とは違う自助・互助制度なのです。
考え方の基本は共済組織であって、これは昔から氏族共同体に始って、近代の民間各種組織でも存在していました。
もう30年程前から民間保険会社でも、弁護士をターゲットにした互助年見保険を売り出しています。
その他の職業でも、多分あるでしょう。
国民年金は憲法の理念によって、民間任せにせずに国家として後押ししようと言うだけのことで、民間組織と本質的に変わるものではありません。
「公的」年金といわれる所以です。



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