05/31/04

国事行為3(憲法60)天皇家の存在意義5

明治憲法では、日本国憲法のように天皇のなすべき行為を詳しく書かず、万機「を総攬し」と言うだけでした。
天皇が何から何まで出来るわけがないので、その意味自体から、下位の部門への権限委譲を前提とした条文だったのです。09/21/03「日本国憲法下の総理大臣6(憲法34)「新しい酒は新しい皮衣に6」」のコラムで紹介しましたが、明治憲法の条文をもう一度見ましょう。

大日本帝国憲法
「第四条
天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ 」

ところが、日本国憲法では、5月29日のコラムで紹介したように天皇の権限を死守する必要があったので、具体的に国事行為として定めてしまったのですから、これを下位の役人に権限委譲することが出来ません。
権限の代行は、摂政しかないのですから不便です。
実際そうは行かないので、臨時代行として皇太子に代行させることがありますが、性質上役人にさせることは出来ないでしょう。
ものごとには代理できることと出来ないことがあります。
代議士や大臣の場合、いくら委任状があっても他の人が閣議や国会の議決に参加できないのと同じです。
例えば、今日は疲れたから、委任状を書くからといって総理の任命式や大使公使の接受を代わりの人にやらせられないのが難点です。
国事行為は、すべて実質的決定権は天皇にはなく、それぞれ別の条文で決定手続きが決まっています。
総理や国務大臣の任免、法律の成立等々を見れば分るように天皇の国事行為は決まったことに対する箔付けでしかないのですから、かえって天皇じきじきでなければ意味がないのです。
これが年に何回もないなら簡単ですが、この後のコラムで、国事行為の頻度を紹介しますが、法令・条約の公布だけで、年に200回以上あって、その他に大使公使の接受、認証官の認証(親任式)、頻繁な各種皇室行事、(05/14/04「国民の祝日に関する法律2・・勅令25号「休日ニ關スル件」と皇室祭祀令」以下のコラムで連載しました)外国賓客の挨拶、歓迎晩餐会・答礼会などその数は半端なものではないのです。
その都度相手国や来日した大統領などの個人の好みなど、予備知識の学習が必要ですから大変ですよ!




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