05/30/03
集団生活とルールの発生(個人所有の発達1)4
集団生活をしている時代と言っても、マルクス・エンゲルスの言うところの100%原始共産社会が、始めから終わりまであって、イキナリ個人生活に移るものでは有りません。
社会生活は徐々に移って行くものですから、集団の時代と言っても一律では有りません。
集団の時代にも、全く個人所有が観念出来ない原初形態から、個人所有または管理が集団内で尊重ないし、認められる時期までの幅があります。
なお、当たり前ですが、ここで言う所有とは、現代法で言う近代的所有権ではなく、占有権に近いもの、更に言えば、占有の原始形態、「握持」から少し進んだ何らかの個人に関係ある状態まで含めた広い観念です。
前回のコラムで触れた刑法関係は集団の管理物を、こっそり取って、自分がこっそり食べてしまうと言う原始的なものから、集団内の他人が個人で管理しているものを、自分の管理にこっそり移す行為に進化しても同じ窃盗罪で対応可能です。
今で言えば、公物を盗むか私物を盗むかの違いだけですね。
これが脅迫になって来たり怪我をさせたりすると、別の犯罪類型が必要になりますが、個人所有の発展形態とそれほど密接な関連が有りません。
他方、個人管理ないし何らかの権利が認められるようになりますと、個人間の交渉が始ります。
個人間の物々交換の開始です。
物々交換が始まるまでは、自分が消費するまでの僅かな期間しか管理している必要が有りませんから、個人の管理と言っても、とるに足りない程度のものでしょう。
なお、物々交換は最初個人間で始まったのではなく、原始的集団生活で、全てが一旦集団に帰属して、集団内で再配分するパターンが先行していたとすれば、集団の管理分配機能が市場機能と似た機能を果たし、間接的な物々交換が始まってと言えるでしょう。
しかし、これは今の社会で言えば、会社内で資材を必要な部門に移動するのに似て、私法と言うよりも公法的な分野であったと言えます。
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