05/30/03

集団生活とルールの発生3(婚姻制度 2)

このように他の動物よりも、格段に長くなった人間の哺育期間を前提に考えて行きますと、婚姻制度は、余剰生産物、ないし余剰食料確保が先行してこそ成り立つものだと分かりますね。
男であれ女であれ、自分の食料確保がやっとでは、長期間子供を養って行けません。
小鳥その他の動物でも、自分の食料が簡単に確保出来る餌の豊富な春先に産み育て(終わって)ているのはその為でしょう。
女性が自分の餌を確保出来ないのが、春先だけでなくなった頃の人間は、どうしても誰かが、その分の食料を確保出来なければなりません。
最初のうちは、1人で1人分となると倍以上の(乳幼児分も含めて)食料が必要ですので、大勢で1人の女性の食料を確保するところから始ったかも知れません。
長い哺育期間を確保する為には、余剰物を確保出来る事が前提であるならば、種族維持本能に基づく最初のルール「不殺生」の次に定着したのは、「盗む勿れ」と言うものだった可能性が高いですね。
余剰生産物が生まれてくると、「盗む勿れ」の裏返しとして集団間の奪い合いが発生して来ます。
戦いの発生です。
支配服従、または戦いにおける集団内のルール(指揮命令に従って行動する)も、婚姻のルールよりも早かった可能性が有ります。
もちろん、「集団生活とルールの発生1」のコラムで書きましたように、多数の雄が常駐する以上は、セックス関係のルールが必然的に発達します。
しかし、最初の頃はグループで養っていたとすれば、不貞行為などの1対1のルールは言いうに及ばず、集団員と他集団員間の婚姻のルールは、支配服従のルール・集団の組織ルールがあって、その内部構成員として受け入れる内部起立の成立があってこそ、可能なルールと言えるでしょう。
従って、男女共に集団内の掟(今で言えば公法、組織法、刑法)に従うだけで、私法(個人と個人の関係を定める掟)は未発達の時代があったのでしょう。




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