05/28/03

男尊女卑の思想10(明治の思想と実際2)

母(妻)相族は、平成15年5月18日に「遺留分とは 7立法論3(民法55)」のコラムで力説している、妻が全部相続すべきだと言うのと同じ考えです。
これも、前記のように、武士も含めて、あばら家に肩を寄せて生活しているのがやっとの時代ですから、夫が先だったときに、残された妻が、そのままその家に住んでいるのは当たり前です。
瓦の発達した関西でも瓦屋根の立派な家に住んでいたのは、余程の金持ちか殿様と言われる大身の武士だけで、その他は板葺きの長屋とか小屋に住んでいたのです。
映画に出てくる豪勢な大名屋敷と言っても、中に入れば、殿様や重臣の住む屋敷、御殿は別として、圧倒的多数を占める中級以下の侍や召し使いは、お長屋と呼ばれる板葺きの粗末な家に住んでいたのです。
この点は、北京に残る四号院住宅などと似ていますね。
観光でほんのちょっとしたチャンスに歴史の有りそうな白い土塀(?)の奥を覗いてみると、中はところ狭しと小さな家がスラムのように密集しているのを見て驚いたものです。
それはそれとして、妻が全部相続する仕組みが、今に残る後家さんの語源だと言われていますよ。
後家の意味は、元は、後に残された家族を意味し、転じて、後継者を意味するようになっていたのですが、これがいつの間にか(鎌倉時代のようですが?)未亡人を意味するようになったのは、未亡人が後を継ぐのが普通であったからのようです。
男尊女卑思想最盛期の明治以降でも、政府の方針にもかかわらず、士族階級以外の一般家庭では、殆ど母親が家の実権を握っているものでした。
何と言っても家は、何千年に亘って女性が切り盛りするものでしたから、女性がしっかりしないと家がうまく行かなくなってしまうのです。
アメリカやヨーロッパなどでは、家計は男性が握っていて、女性は関与出来ないと言う話しをたまに聞きますが、日本では考えられない事です。
日本では、夫が奥さんから小遣いを決めてもらって、その範囲で小遣いを使うのが普通ですから、奥さんが家計の主宰者になっています。
離婚事件で、夫婦の預金がどのくらい有るか質問しても、正確に答えられないどころかどこの銀行に預金しているかすら、知らない男性がかなりいます。
これが日本の夫婦の実態です。
奥さんが夫から、小遣いだけ貰うような生活では、とても日本の女性は我慢出来ないでしょう。

 

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