05/17/03

競争入札制度と最低価格制度(事前公開)7

最低価格が事前に公表されていると、それ以上の高値入札が考えられない事情は、「競争入札制度と最低価格制度(事前公開)3」のコラムで書きました。
同額入札者が複数以上の場合、くじできめることになっていますので、「最低価格ぴったりの数社のうち、どこが落札出来るかが、わからない」入札に変わるのでしょうか?
「それはそれで良いじゃないか」と言う人もいるでしょうが、この制度では、事前に分からないのは、受注業者だけであって、価格はあらじかじめ決まっているようなものになるのが問題です。
受注業者の分配だけが公平であれば、入札制度の意味が有ると言うのでしょうか?
入札妨害罪や、談合罪が存在するのは、公正な価格形成の保護の為に有るのです。
刑法96条の3第1項は「入札の公正を害し」た場合を処罰する事になっています。
この条文の言う「入札と」は、「競争契約について、2以上の参加者のうち、最も有利な申し込みをしたものを相手として契約するため、・・・・・」(大谷實著刑法各論538頁)となっていますので、競争をする事を通じて、公正な価格形成をする事が入札制度の本質と言えるでしょう。
また談合罪は、刑法96条の3第2項で「公正な価格を害し・・・」となっていて、ズバリ、公正な価格形成が保護法益である事が明記されています。
実勢価格より高い入札最低価格を定めて、これを公表する事によって事実上入札価格を公定してしまえば、談合の中身は、「誰が最低価格で入札するか、今回は誰がおりるか」だけになって、本来の価格競争の談合はなくなるでしょう。
しかし、価格をゆがめる犯罪者をなくすために、価格を事実上公定して価格競争をなくしてしまうのは、犯罪統計をよく見せるために、覚醒剤使用や窃盗を合法化するのと似ていませんか?
入札制度の存在意義から考えますと、価格は予め殆ど決まっていて、落札者だけが決まっていないのは、入札ではなく抽選制度と言うべきではないでしょうか?

 


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