05/15/03

手形取引停止処分とブラックリスト 6

4〜5年前でしたか、日栄や商工ファンド(昨年ころから、両社ともカタカナの社名に変更しました。)などの商工ロ−ンの悪質取り立てが、世間を騒がせた事が有りました。
借金する時に金融業者に借用書の外に約束手形、小切手の発行をさせられる事は「銀行とは ?(約束手形の発達3)9」のコラムで書いたとおりです。
金利の払い過ぎだとして、裁判をする事が有りますが、借金する時に金融業者に預けさせられていた手形や小切手を、裁判中に金融業者から取り立てに回されると、資金不足で不渡り処分を受けて倒産してしまいますので、何のために戦っているか分からなくなります。
ちなみに、借りた人は初めから高利を承知で借りて、払える間は何とか払って来た人ばかりです。
遂に払い切れなくなってから、弁護士に相談するのですから手形を振り込まれると支払う事は絶対に出来ません。
ちなみに銀行や金融業者に支払いが出来なくなったと言うのは、期限に元利金を払えないのではなくて、利息だけでも払えなくなった債務者の事なのです。
と言いますのは銀行や金融業者は、期限(3〜6ヶ月)が来ると、次の期限までの利息分だけお金を用意すると、元金分をまた貸してくれますので、(借り換え)形式的には毎回元利完済しているようですが、実は真水では、利息だけ払えれば半永久的に借り続けられる仕組みです。
業者には住宅ローンのような長期貸し付けは原則としてないのです。
このように払えなくなると言うのは、利息さえ払えないと言う事ですから、裁判中に、元利合計の額面を書いた手形や小切手が交換に出されると100%払えません。
そこで、弁護士が零細事業者の為に商工ローン側に対して、利息の取り過ぎだと主張して戦うためには、支払いの為に金融業者に渡してある手形小切手の取り立てを防止する必要が有りました。
この為、平成11年12月17日に急遽、特定調停法(略称です)が立法され、僅か2ヶ月でスピード施行されました。
この法律のお陰で、弁護士は、特定調停法の申し立てをして、まっ先に執行停止命令を求めたものです。
平成12年4月1日から施行された民事再生法を利用するそごうなどの大企業でも弁済禁止命令をまっ先に求めるのが普通です。
この命令が出ると、手形、小切手支払い禁止の効力が有るために、手形小切手を期日に決済しなくても交換所規則の「0号不渡り処分」扱いとなって取り引き停止処分の不利益を免れる事ができるからです。
このように企業・商人にとっては、手形取り引き停止処分を受けるかどうかは、死活的重要性を持っていましたし、大手銀行と手形取り引きをしている事がステータスでもあったのです。

 



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