05/15/03

手形取引停止処分とブラックリスト 5

約束手形と言うのは、工事代金の支払いなど、裏付けの有る商業手形が中心ですので、(5月11日の約束手形の発達のコラム参照)期日が来れば払ってくれる事の方が多いのです。
取引先の倒産がしょっちゅう有るものではないからです。
市販の約束手形用紙を利用しても法的に同じと言うのは、滅多にない未払いの時の効力が(裁判する時と言うのは未払いの時の中で更にその一部分です。)同じと言うだけの意味になります。
順調に払ってくれるべき大多数の場合に交換してくれない不便さについては、「手形取引停止処分とブラックリスト2」で説明したとおりです。
それでは、そう言う手形は貰っても実用的ではありません。
そうなりますと、流通し易い手形発行するためには、銀行から手形帳の交付を受けねば、なりません。
商売人にとっては、銀行協会から手形取り引き停止処分を受けると発行する手形用紙が貰えないばかりか、前もって貰ってあった使い残しの用紙を利用して振り出そうにも、手形交換所で決済してくれない手形を受け取ってくれる人もいません。
また取引先から工事代金などとして受け取った手の割り引きも銀行では出来なくなります。
法律的にはノートに書いても手形だと言っても、実際上商取り引きの世界から締め出されてしまいますので、事実上手形取引が出来なくなります。
銀行取引約定と言う基本契約には、手形取り引き停止処分を受けると、(手形交換所規則では、半年以内に2回目の不渡りを出すと手形取り引き停止処分を受けます。)その取引銀行の債務支払いをきちんとしていても、銀行取引を終了出来る約款になっています。
他方、明治以降、我が国では常に資金不足社会でしたから、融資側の銀行は絶大な力を持っており、銀行から取り引き停止にされると、企業信用は致命的と言う受け止め型をされていました。
酸素吸入中の病人が酸素吸入器を外されたようなものです。
世上◯◯会社が2回目の手形不渡りを出して「事実上倒産した」と報ぜられるのはこの事です。

 



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