05/15/03
手形取引停止処分とブラックリスト 4
手形、小切手は裁判になれば、借用書よりも強力な事は、「銀行とは ?(約束手形の発達2)9」以下のコラム説明しました。
しかし、お金を貸す人は、返してもらうのが目的であって裁判する目的でお金を貸す人はいませんので、期限に返してくれる確率の方が問題です。
そこで、手形と比較して経済的に見ると、借用書はお金のない人が、お金を借りて書くものですから、返済期にその約束どおり返せる人の方が少ないのです。
これは、生活に困って借りる人だけの話しではなくて、立派なビルを本社にしているれっきとした会社でも、期限毎に利息支払いだけして、書き換えを繰り返しているのが殆どである事は、「手形取引停止処分とブラックリスト 7」のコラムで詳しく書きます。
又、サラ金で相談に来る人も、金利だけしか払っていないのです。
彼等は返済計画を述べるのに、「これまで、毎月25万円〜30万円も払って来たので、月12〜3万円なら間違いなく払えます」などと言う人が多かったものです。
しかし、実際は、30万円〜50万円の枠内で借りていて、その月の最低支払額(元利)を一旦支払っては空いた枠内でまた借りられるだけ借り出して、次のサラ金に払うと言うパターンを繰り返しているだけです。
払った後に借られるだけ目一杯借りるのですから結局は、利息を払っているだけと変わりません。
銀行を含めた金融業者の貸し金は、利息で儲けるのが主眼ですから元金を返してもらう事を前提にしていません。
もしも、あまりにもあっさりと、元金を全部返されると困るので、また借りてくれませんかと頼みに来るくらいです。
繰り返し利息だけ払ってくれるのが上客なのです。
この論理は、本当は期限に黙って元利金全額を払ってくれた場合の話しですが、利息だけやっと払っている客と現象的には、同じですので、何時の間にか、銀行もサラ金もみんな利息だけ払う仕組みが定着したのです。
これに対して一般の人がお金を貸す時は、利息よりも本当に返してくれるかが心配で心配で眠れないのが普通です。
銀行で貸してくれなくなった人が、借りに来るのですから、心配するのは当たり前でしょう。
ですから、貸金が返してくれないと言う相談に来る人には、「友人などがお金を借りに来るのは余程の事だから、右左に支払い先があって借りたはずですよ。」
「そう言う人が、1か月や2ヶ月でイキナリ何百万と言う大金を儲けるはずがないでしょう?」
と言っています。
ついでに説明しますと、例えば、従来の仕事量が1000万円増えても、100万円純利益を出す為には、10%の純利率ですから大変な事です。
まして新会社独立を除いて、借金する人は、赤字経営だからこそ借りに来るのが普通ですから、いきなり、10%の純利を出す事はあり得ない事です。
「お貸し『下さい』とか、貸して『くれ』言うように、相手は深層心理では貰ったつもりですし、貴方も貸して『やった』のではないですか?」
「まあ、少しでも回収出来れば宝くじに当たったくらいのところですね。」
という話しで終わる事が多いですよ。
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
