05/13/03
保証会社の機能(保険の存在価値3)7
銀行の存在意義関連のコラムが長くなって、かなり横にそれましたが、4月23日のコラム「保険の話し」の続きに戻ります。
保険の本質は相互扶助によるリスクの分散です。
保険会社の多くは株式会社ではなく、相互会社になっている事を皆さんも御存じの事と思います。
ここ数年株式会社化の動きが盛んですが、相互扶助即ち、参加者の中で一定割り合いで生ずるリスクを分散しょうとする本質を忘れてはなりません。
保険法の基本法である商法629条をみて下さい。
「第629条 損害保険契約ハ当事者ノ一方カ偶然ナル一定ノ事故ニ因リテ生スルコトアルヘキ損害ヲ填補スルコトヲ約シ相手方カ之ニ其報酬ヲ与フルコトヲ約スルニ因リテ其効力ヲ生ス」
その解釈をしている最高裁判所判例は以下のとおりです。
「保険契約関係は、いわゆる危険団体的性質を有するものである」(最高裁大法廷昭和4年7月8日)
このように、一定の危険団体で保険料を出し合ってこそ、リスクの分散が出来るのですが、銀行や信販業界のようにそれぞれ、自分とこの債権だけを母集団にして保証していたのでは、なんのリスク分散にもなりません。
もしも、第3者に引き受けて貰うためには、採算性を厳しくチェックされることになります。
採算が取れない債務は外部の保険会社が引受けませんから、銀行は系列の子会社に保証させているのです。
そうすると、「100%子会社しか引き受けない保証とは何ぞや?」と言うことになります。
系列からしか発注のない保証会社は、実質は管理部門でしかないグループに、会社と言う名称を与えただけであって、実質的意味の商人では有りません。
会社組織でさえあれば商人にすると言う商法の形式概念を、悪用した「商」概念の濫用です。
銀行としては、ペイしないものを、無理に引き受けさせる以上は、その支払い資金として100%融資する事になるのでしょう。
上場株式会社としてみると、単なる不良債権の先送り、一種の粉飾決算でしかなくなります。
顕在化するのは不良債権を押し付けられている子会社が倒産した時、すなわち子会社の累積赤字を、銀行本体が見切れなくなった場合だけです。
現在、建設大手や西武百貨店の問題顕在化の殆ど全部が、親会社による子会社の債務保証に端を発している事は皆さん御存じのとおりです。
事業会社は子会社に債務を飛ばして、金融機関は、不良債権を子会社に飛ばして日本中で揃ってごまかしてて来たのです。
今では連結決算が重視される所以です。
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