05/11/03

銀行とは ?(約束手形の発達1)8

為替手形は、交通不便な時代に遠隔地取り引きの決済手段として発展しましたが、今では為替手形の必要性がなくなりました。
イタリヤの歴史を学ぶまでもなく、日本でも上方(大坂)は、有名な生野銀山の存在でもお分かりのように銀貨中心経済で、関東は、甲州や佐渡の金山で代表される金貨中心経済でしたので、小さな国内にもかかわらず、為替が発達したのです。
明治維新以後、日本中が金本位制に統一され、更には日銀券だけが通貨として公認されていますので、国内での為替取り引きの必要性は、制度上もなくなっているのです。
余談ですが、明治維新で、金貨中心になったのに、貨幣を扱う業種の名称が銀行と名付けられているのはおかしいですね。
イタリヤのバンコがバンクの語源になっているように、我が国では経済活動の中心が長い間、上方にあったので、明治維新の際に銀行と言う名称が残ったのでしょうか?
銀行は今でも「両替え商」としてのプレートを入り口に張ってありますが、違う通貨の両替えでなく、1万円札を千円札に変えるなどの、両替えをしているだけです。
以上の歴史経過を経て、現在の手形取り引きの主流は約束手形であって、為替手形は滅多に利用されなくなったのです。
その約束手形も利用率が最近かなり落ち込んでいます。
手形取り引きを全くしない最新の業種は不動産業界と言われています。
バブル頃から手形取り引きをしない習慣が定着して来て、最近では、不動産業者が何時倒産したのかはっきりしなくなったと言われています。
従来約束手形を多用して来たのは建設業界(または各種工事関係業)ですが、この業界も、消費者直結のリフォーム分野への傾斜に伴い、手形の利用率が急減しています。
建設業界(または元請け下請けの構造を持つ業種)が手形を多用する理由は、小売り業界が回転差資金と呼ばれる資金の歩留まりが有るのに対し、建設業界や重層的下請け関係では逆に回転差損金(私の命名で一般的な言葉では有りません)みたいな資金ショートが発生するからです。
関係のない人には分かりにくいと思いますので、事例で説明しましょう。
小売り業者は仕入れ代金の決済は月末締め切りで計算した請求書を貰って、その支払いは請求書受領月の末日または翌月10日払いなどですから、店頭で商品販売代金を入手してから実際に支払うまでかなり資金が滞留します。
これが回転差資金と言われるものです。

 



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