05/11/03
銀行とは ?(約束手形の病理現象2)11
約束手形は、経済的強者の弱者に対する不当な押し付けの道具になっていると前回のコラムで書きました。
こう言うと、いや、「うちは資金繰りの為、手形を振り出せないとやっていけないので弱者の為の制度ではないですか?」と言う意見がありそうです。
そう言う中小企業は、前記の2次3次下請けの中間に位置するために、自分も手形を振り出して下位の業者に転嫁出来る立場に有るというだけの事です。
他方で約束手形は、借用証書よりも効力が強力(不払いの制裁は強力です。)で簡便なことから金融業者など強者にとって有利なので、前回のコラムで紹介したような手形割り引きではなく、お金を貸すときに、債務者に借用書の外に約束手形の発行を要求するようになりました。
本来の手形の機能から見れば悪用でしかありませんが、こうした悪用もそろそろ卒業すべき時期に来ているように思います。
不動産業界がバブル以降手形を利用しなくなったと言われていますが、我々弁護士も手形小切手を振り出す事は有りません。
また何故銀行取引に一喜一憂するかも理解し難い感覚もあります。
弁護士は銀行や金融業者からの借金で事務所を維持していないから、(今後借金で事務所を維持する弁護士も出てくるかも知れませんが)手形小切手の振り出しを要求される事がないばかりか、銀行から預金してくれと日参される事があってもこちらから取り引きする必要性がないのです。
また弁護士代金を、3ヶ月も5ヶ月も先の支払日の手形で払う人もいませんので、銀行や高利貸しに割り引いてもらう必要も生じません。
このように見て行きますと、現在の手形小切手の利用は、経済的強者が、弱者に対して振り出しや受け取り(割り引き)を強制する病理現象が中心である事が分かります。
これからの銀行の決済機能の重心は、こうした病理現象に頼るのではなく、送金、クレジットやその他の引き落とし等の決済機能に移って行くべきではないでしょうか?
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
