05/11/03

銀行とは ?(約束手形の発達2)9

小売り業界の回転差資金流用益に対して、建設業に代表される下請け孫請けの重層的関係の有る業界では、末端の業者程、労務者の比率が高くなります。
労務賃の支払いは、早いときにはその日に払わねばならないことすら有ります。
ところが元請け等からの支払いは、月末締め切りで請求して、翌々月末払いが大半で、しかも半金半手と言って、支払日に払ってくれるのは現金が半分、手形をくれるのが半分と言うのが多いのです。
手形支払日は、長いところでは6ヶ月先の支払日なども有り(平均的には3ヶ月です)ます。
1次下請けも同じように2次下請けに半分現金支払い、半分手形を振り出して凌ぎますが、重層的下請けの末端になればなる程、労務賃比率が高くなりますので、仕事をしてから2ヶ月遅れでやっと払ってもらったのが、半分手形では、労務賃が払えません。
そこで銀行に手形割り引きを依頼して現金化するのが常態化して来たのです。
手形割り引きは、理論的には手形の売買も有れば手形担保の貸し付けも有ります。
金融業者にとっては、貸し金担保形式がもっとも有利ですので、実務上は手形担保と解されています。
ついでに手形法の説明を少ししておきますと、手形割り引きと言うのは、手形振出人から手形を受取った人、または途中の裏書譲渡を受けた人が、更に銀行等に持ち込む場合ですので裏書行為をする事になります。
ちなみに裏書きではなく、振り出しの場合は、債務支払いの為の振り出しと、債務支払いに代えての振り出しの2種類が有ると言われています。
銀行の割り引き枠が融資枠とは別に設定されている事が多いのは、単なる融資と異なり、現に仕事をして既に払ってもらえる債権が有る事を前提にしている事から、信用性が高いのと、その振り出し人に対する債権を譲り受けたのと同じ効果(手形裏書きの方が債権譲渡よりも人的抗弁権の切断により、もっと強力です。)がある事によるのです。
この信用力を悪用するのが、融通手形と言われるものです。
融手は何ら工事や仕事もしていないのに、いかにも工事代金等の実際債権が有るかのように装って銀行や金融業者を信用させて、融資を得る方法ですから、1種の詐欺行為と言えるでしょう。
銀行の手形割り引き枠が一杯になりますと、商工ローンと呼ばれる高利金融業者から手形割り引きを受けるようになって来ます。

 


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