05/06/03
低金利政策は憲法違反?1(資産の強制移転と憲法学)
0、02%の金利が市場原理として正しい利率であるならば、貸し出し金利も適正なマージン率である3〜4割増の0、025%前後に収まるべきものでしょう。
0、1%でも仕入れ値の5倍になります。
しかし、住宅ローン金利について1部銀行が3%に下げる予定であると5月2日に報道されているように、実勢が3〜4%以上であり、企業金融にいたっては高利金融業者の大繁盛に明らかなように、20%以上でも需要が有るのです。
銀行本体では貸し渋っておいて、高利業者に貸し付け資金として融資して高利業者が銀行に代わって融資している実情が有ります。
商工ローン(町金)が如何にも悪いようにマスコミが騒ぎますが、高利貸しは、銀行から仕入れた資金で儲けているのですから、彼等は銀行の1種の別働隊機能を果たしているのです。
金融業全体では0、02%で集めた預金を関連会社(例えば富士銀、今ではみずほクレジットなど殆どの大手は持っています。)や末端の高利業者に3〜4%〜10%で貸して、高利業者が、15〜20%前後で融資する仕組みになっているのです。(業界全体では1000倍の粗利です!)
氏素性の知れない人を顧客にしている街金融業者は、(街金)は、リスクが高くなる分金利が高くなるのは当然です。
優良企業や信用の有る人にだけ貸す銀行は、金利が安くても利益が出る仕組みに住み分けていました。
このような仕組みを前提に市場相場に付いて考えてみると、不景気=焦げ付き発生率上昇=金利上昇が経済原理であると分かります。(世界的に見れば、ジャパンプレミアムの発生です。)
末端価格の値崩れによって末端業者から問屋や、メーカーに仕切り価格の値引き交渉をするのが普通の経済行動です。(ガソリンスタンドなど)
ところが、景気低迷によってリスクが上昇し、末端価格(金利)が上がっているのですから、仕入れ値(公定歩合)を下げる必要は経済原理からは考えられません。
市場相場の下落によって仕入れ金利である預金金利が下がっているのではなくて、規制によって市場価格よりも下げられている事が分かります。
前回の判例の例では、既存薬局の利益保護の為に、新規出店が規制され、結果的に消費者が不当に損をさせられているのではないかと言う問題意識(私だけかな?)が有りました。
今回の低金利は市場原理に基づかず、規制によって行われているとしたら、その合理性を検証しなければ法律家の使命を果たせないでしょう。
これまでの法律家の憲法論は、「自衛隊が軍隊か?」など政治的直感が中心だったように思いますが、(憲法学者に怒られるかな?)これからは経済政策に名を藉りて(口実にして)特定企業の利益を図り、ひいては国民に不当な損害を及ぼしていないかどうかについても、憲法学のテーマにすべき時代が来ているように思います。
これからの憲法学者は経済学の教養(センス)が必要ではないでしょうか?
「憲法の限界」のコラムで書いたように、憲法の役割が、政治的な基本的人権の擁護だけではなくて、消費者の権利擁護も視点に入れなければならない時代が来ているように考えています。
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