05/06/03
低金利政策は憲法違反?2(資産の強制移転と憲法学)
金利下げに転じた当時、個人金融資産が1200兆円と言われていましたから、1%金利が下がると12兆円、5%下がると60兆円もの割り合いで、毎年国民全体から銀行に資産移転が強制的にされていたことになります。
企業、年金、生保など預金者全部合わせれば、その10倍以上あったかも知れません。
これが10年以上も続いているのです。
低金利政策によって金融業者または債務者保護の為に、国民のうち預金者が(消費者に限りません。優良企業や年金、生保マンションの管理組合など蓄積の有るもの全て)損をさせられています。
低金利政策は、経済政策として公共の利益に叶っているのか、特定業種の利益の為だけに採用されているのかを検討してみましょう。
伝統的な解釈では、金融緩和は投資促進効が有ると言われておりますが、今回はどうでしょう?
長く続いた高度成長が、国民の蓄積を大きくし、上記のとおり企業のみならず、個人でさえ、巨額の金融資産を持つに至っています。
資金不足時代に形成された経済理論をそのまま当てはめるのは間違いではないでしょうか?
優良企業、例えばトヨタでは、膨大な余資(余融資金)があって有名です。
彼等(勝ち組み)は十分な資金を有していますので、金利動向に関わらず、投資機会があれば投資するのです。
そのうえ、金融緩和による景気回復効果を求める以上は、貸し出し金利が下がる限度しかその効果を考える事は出来ません。
この10年間で、プライマリーレートが3〜4%から1、4%に下がっているだけですから、投資促進効果は最大限それだけしかない事になります。
預金金利を100分の1に下げる必要は、この観点からは認められません。
もっと言えば、「銀行とは 2?(融資機能の重要性2」以下のコラムで連載したとおり、バブル以前から優良企業は直接金融の発達で、銀行からの借金の必要性が減少しているのです。
今では、直接市場から調達出来ない信用力の弱い企業だけが銀行の貸付先になっている上に長引く不景気の為に、プライマリーレートの顧客は減少する一方となっています。
銀行の上得意は、いまでは住宅ローンと言われていますよ。
銀行の信用創造機能は縮小する一方ですから、従来のような金融緩和更には量的緩和の社会的意義が殆ど意味がなくなっているのです。
折角の量的緩和でも使い切れず殆ど全部国債に還流しているのですから、銀行の存在価値が問い直されねばなりません。
少し専門的または細かくなりますが、5月3日の日経新聞によりますと、貨幣乗数がバブルのころには13倍だったのが、今年の3月には約7倍に下がっている事が、報じられています。れています。
融資機能が縮小しつつある銀行を直視すれば、銀行が潰れたら大変な事になると言う、主張自体も疑わしくなります。
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