05/18/02


社会の高度化と不良の増加 2

社会が高度化するに連れて、皮肉な事に不良率が増加する関係について前回のコラムで書きました。
物品と違って、人間は、日本の高度なレベルに合わないから、排除したり、生産を止める訳にも行きません。
私がもの心ついた頃の事を思い出してみますと、当時は、大人の何割かは、高等小学校卒という時代で、社会の基準が低かったせいか、基準以下の人は稀でした。
稀にあっても、一族、一家で、少し足りない人と同居して、生涯家業の下働きをさせて面倒を見ている家がかなりあったように思います。
しかもその頃の農業は、人力と牛馬中心のレベルの低いものでしたから、かなり知能が低くても、役立つ仕事があったのです。魚屋、商店、家内工業その他も同様です。
その後、徐々に社会のレベルアップに連れて、知恵遅れの子供の居場所がなくなり、次第に施設に収容されるようになって行きます。
それと同時に、農業自体一人前の労働力が不要となって、兼業農家が主流となってくると、余剰人員を抱えられなくなって来ます。
その上、従来型の農業または、家内手工業や商店をするには、半人前でなく一人前の能力があって、学業についていけないだけの人間は、死ぬまで家業の下働きという事は出来ませんので行き場をなくす事になります。
高度化の犠牲者にとっては、逃げ場がないと言えるでしょう。
折角東大に入って、或いは一流銀行に入社して、ついて行けずに落伍するのは、単なるミスマッチの問題です。
繰り返しますが、私が問題にしているのは、社会の最低水準が上がって、水準以下になってしまう人の増加と、その人たちの社会適応の問題です。
ミスマッチの結果犯罪者になったリ、事業に失敗した人は、適正なアドバイスで改善が可能です。
しかし水準以下の人は、真面目に仕事をしたくても雇ってくれる所がないか、雇ってくれても、能力がない為に続けられないのです。
社会の水準が上がるに連れて、水準以下の人が増加して行くのですから、社会としては、本気で、研究する必要があるでしょう。
これを放置すると、自虐的な人は、ノイローゼその他精神疾患に悩み、或いはシンナー、覚醒剤に逃げ、攻撃的な人は、反社会的な行動に出る事になって、社会は著しく不安定になります。




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