05/11/02
破産14(給与差し押え6と小額管財3)
前回のコラムで、貰ったばかりの給与は、不問にされている事を書きました。
そうしないと、破産申し立て中に、また生活が破綻してしまうからです。
差し押えの場合、年齢、家族構成にかかわらず、21万円以上の生活費を、認めない基準は、破産事件の運用から考えても、既に破たんしていると言えるでしょう。
手持ち現預金0の申告を、黙認している現状に、給与差押が入りますと、現実に即した裁判所の運用が、撹乱される事になります。
月収35万円・40万円と言う普通の勤労者の破産事件の処理中に、21万円を超える部分が、差し押えられると、21万円では生きていけない、債務者の深刻な事態が、顕在化します。
この解決策として、差し押え回避型の小額管財の効用が説かれています。
給与差押さえ回避型の小額管財事件では、殆ど異時廃止で終わる様ですから、(即ち、配当無し)公平を、図ると言うよりも、執行阻止目的が明らかと言えるでしょう。
年齢、家族構成・過去の生活水準を全く考慮しないで、一律に21万円を最高額とする、現在の基準が、あまりにも低額過ぎる事に問題があるのですから、法の精神に反した基準の改定こそが王道だと、私は思います。
ところで、コラムは、その日の思い付いたままを、自宅で、随意気侭に書くスタイルで始めたので、データを調べてまで書かない方針ですが、気になったので今日、事務所で調べてみました。
昭和55年に、民事執行法が制定された時に、政令で定めると変更され、同時に21万円を最大限とする政令が施行されている事がわかりました。
月給300万円の人がいた場合でも、4分の1では不都合な事があるでしょう。
法律で具体的な金額を定めると、物価の変動の度に改正が必要になるので、機動的改正可能な政令に委ねたのは、一応の合理性が認められます。
しかし、昭和55年から、22年間全く変更しないのでは、(今の給与水準は、大まかに言って、2倍程度でしょうか。これを正確に知りたい方は、賃金センサスで比較すれば簡単にわかりますよ、)政令にした意味が没却されます。
それに、給与が200万、300万円の人は、稀ですし、債権者の申し立てで、改正前でも、裁判所が、禁止財産の範囲を変更できる仕組みでしたから、不都合はなかった筈です。
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