05/08/02

破産 11(給与差し押え3と小額管財2)


同時破産廃止事件では、給与差し押えを阻止出来ない事を破産9、10で説明しました。
それは仕方ないでしょうと言ってしまえばそれまでですが、公平な破産事件の処理という理念に反します。
みんなが、『弁護士が受任したのだから、』または、『栽判手続になったのだから、』と行動を控えている時に、一社だけ給与を差し押さえて、100%近く回収してしまうのは、アンフェアですね。
その債権者としては、『うちは、それだけの手間を掛けたのだから当然の権利だ。』と言うかも知れませんが、一旦破産になった以上は、優先権を主張できる担保権を設定していない限り、みな平等というのが破産の本質ですから、一人占めになる給与差し押えは、『法網を潜る行為』という感じです。
また、債務者は、給与を押さえられますと、生活が極度に困窮してしまいます。(給与差し押えの問題点は、別の機会に書きます。)
そこで、差し押えの効力が争われて来ましたが、最高裁では、差し押えが有効であると言うばかりか、後に免責になっても、不当利得として、返還義務を、負わないという結論となりました。
そうなりますと、給与差し押えを防ぐ為には、管財人を選任する手続きを、進めるしかなくなりました。
破産管財人を選任する破産事件だけが、給与差し押えをとめる事が出来るからです。
しかし、サラ金を中心とする自己破産事件では、予納金の最低額とされている50万円もの大金を、裁判所に予納できる人は稀です。
この問題を解決する(この目的の為に考案したとは、言えませんが。)仕組みとして、平成11年4月から、東京地裁で試行的に始まったのが、小額管財事件です。
この仕組みは、配当する程の資産がないが、21万円以上の保険解約返戻金がある、退職金がある、(ただし8分の1)車がある、その他等の場合、および給与差し押えがある場合に、予納金20万円だけで管財事件にすると言う制度です。
小額管財事件を利用すれば、ただちに給与差し押えは、なくなりますので、差し押さえられている債務者にとっては一つの解決策と言えるでしょう。
この制度は、千葉地裁でも、今年(平成14年)の4月から始める事となり、平成14年4月25日のコラムに、『破産と小額管財』というテーマで書いております。




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