04/29/08
安楽死1と刑法97
契約法の原理だけでは解決しないのが、刑法犯・・結局は人命をどう見るかの神学的論争)の問題ですが、契約の有無にかかわらず延命装置をはずすのは、あるいは継続しないのは、殺人罪になる・・本人の同意があっても自殺関与罪になるかという問題です。
刑法
(正当行為)
第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。第二十六章 殺人の罪
(殺人)
第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
第二百条 削除
(予備)
第二百一条 第百九十九条の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
(自殺関与及び同意殺人)
第二百二条 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。
(未遂罪)
第二百三条 第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。
積極的にクビを締めて呼吸できなくするのも、酸素吸入器をはずして呼吸できなくするのも死に至らしめる行為としては同じですから、殺人行為・・実行行為・・にはなるでしょう。
問題は、植物人間化して何の意思能力も無くなって延命装置だけで動物として生命を維持しているだけの場合、これををはずすのが上記の刑法35条の正当業務行為として違法性を阻却するかどうかの判断です。
心臓のペースメーカーのように、それさえあれば普通に生きていける人のペースメーカーをはずしてしまうのは許されない・・・正当業務行為とはいえないのは明らかでしょう。(透析なども同様です)
犯罪の成立要件を05/11/07「犯罪の成立要件1(構成要件の機能変化1)刑法76」以下で説明したことがありますが、各種犯罪行為の該当行為(実行行為)をしても、違法性阻却事由のチェックをして、違法性の阻却事由があると犯罪が不成立となる仕組みです。
良く知られている例では、正当防衛行為や医師による治療としての傷害行為(メスを入れるのはれっきとした傷害です)やボクシングで殴るのは、正当業務行為として違法性が阻却されることになっています。
これが上記の刑法35条の規定です。
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