04/30/07
銀行救済9(資金コスト3)長銀等破綻の構造
ところが、長期信用系の銀行(長銀や日債銀、興銀、信託系銀行など)は、銀行とは言っても仕入れ資金の中心は市場調達でした。
(興銀債や、長銀債の販売など)
これらの銀行は、預金が殆ど有りませんでしたから、仕入れ資金のほうは、低金利下でも一般銀行のようにただ同然にはならず、(安い預金に頼れずに、)市場から実勢価格でしか資金調達できない仕組みだったので、瞬く間に構造不況に陥ったのです。
これまで書いているように、資金不足社会から脱却した日本では、バブル崩壊以前から大手事業会社も、銀行融資に頼らずに自分で市場調達できるようになっていたのです。
その後も、長銀や日債銀あるいは興銀など長期信用系の銀行は、事業会社と同じ市場相場で資金調達していて、そこで得た資金を大手企業に貸し出し続けていたのですが、これでは、利ざやを乗せるのは論理的に無理になってきたのです。
大手企業は、自分で市場調達できるのですから、市場金利の上に利ざやを乗せたのでは、借りてくれません。
せいぜい興銀や長銀の信用が高い分だけ、一般の事業会社よりもホンのちょっと資金調達コストが安くなっていたに過ぎませんから、たとえば3Aクラスと3Bクラスの金利差だけですから、再販売するほどの差がなかったのです。
その辺の小売店が、近くのスーパーで一般客同様に買い物をして仕入れて、(大量に買うので、ホンの少し負けて貰えるくらい?)自分の店でマージンを乗せて売るのが無理なのと同じです。
あるいは同じ魚市場で仕入れているのに、その仕入れた魚を近所の魚屋に卸すのは不可能なのと同じです。
こうして、一般事業会社が市場で資金調達を始めると、あっという間に長期信用系の銀行は行き詰ってしまいました。
(最後は、市場格付けも大幅に下がったので、市場調達金利すら優良事業会社よりも格下になってしまったのです。)
このような一般銀行との資金調達コストの差が、長期信用系銀行が軒並み苦境に陥った・・金融危機の構造的原因でした。
上記のように、市場調達金利と銀行預金で仕入れる金利とは一段階の差があるのですが、それでも事業会社にとっては、問屋的な銀行を通じて(マージンが発生します)借りるよりは、市場を通じて直接調達する方が、まだコストパフォーマンスが良いので、今は殆どの優良企業は上場してそこで資金調達しています。
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