04/26/07

サラ金締め付けの背景5(銀行救済2)

死亡の数年前あるいは5〜6年前でも不動産を売ったときに、入手したまとまったお金がなくなっているとなれば、相続人の一人とすれば、そのときからの預金履歴を知りたいのは正当なものでしょう。
昨年新しく出た死亡前の履歴開示義務を認めない判例は、銀行や故人の何を守る目的なのでしょうか?
せいぜい、銀行の事務手数料削減効果くらいではないでしょうか?
ただし、最近では本人による履歴開示請求でも、一枚いくらの手数料を取る時代ですから、その問題も解決しているのです。
この判例が出るまでの銀行は、開示に応じてきたので、
   「ズルイことしてもだめだよ・・・」
と言う弁護士の説得に応じていたのですが、これからは「ずるい事はやり得」と言う不正のはびこる社会になるでしょう。
これはサラ金の排撃とは場面の違う問題ですが、このように政府や判例は、何故かサラ金にはきついのですが、銀行関係には甘い判例が多いのです。
宅急便に嫌がらせをして、日通や郵便を日本中の役所が応援しているようなものです。
ところで、利息制限法違反の過払い請求(不当利得返還請求)が認められるようになったと言っても、訴訟ではその主張・立証責任が、原告・・支払いを求める側にあります。
過去にどれだけ払ったかの証拠提出は困難を極める点が、弁護士にとっての泣き所でしたが、先ず最高裁が、金融業者に対して過去の取り引き履歴開示義務を認め、ついで金融庁の協力的態度で解決できたのです。
開示義務があると言うだけの判例では、業者が応じなければそれまでですが、監督官庁の金融庁がこれに呼応して、ガイドラインを定め、これに違反すると監督行政・・業務停止その他の規制ができるのですから、このガイドライン化の効果は大きなものがあったのです。
お蔭で、今では債務者が過去の支払い証拠を全部持っていなくとも、過払い請求事件の殆どが解決できる仕組みが整ったのです。
ただし、取り引き履歴自体の改竄例があとを断ちませんが、正確であればなお話です。
現在でも昭和50年代のように、自民党が、サラ金業界の応援団のままであれば、判例の動きだけではこのようなサラ金に不利なガイドラインはとても実現できなかったでしょう。
裁判所も、従来の判例に真っ向から反する法律が制定されてしまった以上は、「業法の精神に従うしかない」と言う解釈になっていたのではないでしょうか?
バブル崩壊後の金融危機で、銀行の生き残り策として、証券と銀行の垣根てっぱい、銀行による生保の窓口販売、銀行と信託の垣根撤廃などいろいろ議論がありました。
その方策の中で本業の融資分野では、リティ−ル分野に進出することが最重要と考えられるようになったころから、いきなり消費者寄りの判例や金融行政が相次いで出るようになったように思うのですが、いかがでしょうか?



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