04/22/07

不当利得法5(貸し金業法12)判例と法律3

以上紹介したように、貸金業法の43条制定によって、サラ金業界と利息制限法違反金利返還に関する判例(弱者保護)のセメギ合いは、勝負あったかに見えたのですが、その後も消費者問題対策に関する弁護士たちは頑張りました。
04/15/07「不当利得法3(貸し金業法3)判例と法律2」までに書いたように、首の皮一枚だけともいえますが、利息制限法の廃止まで行かなかったのがよかったのです。
先ず17条、18条書面の交付の実態からして、その交付がないと言う形で争っていったのです。
裁判所がこれを受け入れて、自動貸付機で、枠内の追加借受をする場合、機械から出てくる計算書では、あらかじめ交付したことにならないと言う形で、突破口が開かれていきました。
この法律が出来たころには、まだ機械化・自動貸付機などは、全く予想されていなかったのです。
本来は、最初の借入時に利率など書いたものを貰い納得で借りている場合もあるのですから、十分納得で借りて納得して支払った以上は、払うべきだと言う貸金業法の精神から言えば、言いがかりみたいなものでした。
その後、事前に書面を貰っていても、高金利を払わねば、期限の利益喪失の不利益・・例えば信用情報に掲載されるなどの不利益があるので、途中で払ってきた金利は、すべて任意の支払いとはいえないと言う最高裁の判例(平成18年)も出てきて、全面的に過払い金返還訴訟が勝つ仕組みになってきたのです。
こうして、裁判所は消費者保護の視点から、こうした各種言い掛かりを全面的に受け入れてきて、現在では、利息制限法で計算し直した過払い金の返還訴訟では、殆どの場合業者が全面敗訴になる運用になっています。
そもそも、法に違反した所得に対して、取ってしまえば勝ち・・最早後で返さなくともよいと言う法律があったのでは、法を守ろうとする人が少なくなるでしょう。
たとえば泥棒でも、未遂段階なら別だが、取ってしまったものは捕まっても返さなくともいいのだと言う既成事実重視社会では、変な社会になってしまいます。
ですから貸金業法では、利息制限法違反の金利請求の裁判は認めないが、その前に「取り終わってれば返さなくとも良い」と言う法律ですから、普通の法体系から言えば変則・・・一般的な正義が成立たない法律です。
尤も泥棒や強盗詐欺その他は刑法犯ですが、利息制限法に違反しても直ぐに刑事罰の対象ではなく、その何倍も高い金利・・出資法に違反したときだけ刑事処罰すると言う段階的な法律である点が泥棒や強盗とは意味が違うのです。
利息の取りすぎは個人的な道徳律の問題を超えて社会悪ですから、本来は利息制限法を作る以上は、その違反があれば即刑事罰にすれば分かりよいのですが、ことは経済実態に絡んでくるので簡単ではないのです。



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