04/06/07
契約社会1(民法194)の基礎
わが国では、意思主義は実状に合わないことから、意思主義をコケにする特約が定着しているのが現状ですが、それにもかかわらず、「契約を守らねばならない」と言う法意識がいつのまにか定着してきたのです。
その原因は、貨幣経済(勤労者の増加から、ほぼ全員勤労者化)の進展で、契約目的物自体を掴取しなくとも、貨幣的確保(金銭による損害賠償請求)で事足りる時代が来たことが大きいでしょう。
企業の場合には商道徳を守らないと、その世界で生き残れない・・市場淘汰機能が発達してきました。
消費者個々人も、カード社会の進展によっても分かるように、貨幣経済に組み込まれていますので、「契約は守らねばならない」と言う意識が浸透して来たのです。
住宅ローンの焦げ付きだけでは、厳しい取立てを受ける訳でもないのですから、放っておいても良さそうなものですが、信用を失うのが怖くて、サラ金から借りてでも何とかしようとするようになるのです。
今では契約違反・・支払停止によって、ブラックリストに載せられる恐怖が、サラ金に走る大本の原因です。
昔の小作人や使用人の場合には、小作人や住み込み使用人相手に裁判して勝っても、何を強制執行してよいのか分かりませんでしたが、これが給料制になると給与の差し押さえで簡単に賠償金を取れるようになったのです。
こうして、最末端の庶民〜パートまで、裁判の当事者になる実際上の資格が出て来たのが、庶民に至るまで掛売り・・カード・信用取引が普及した法的基礎でしょう。
もちろん女性にも当事者資格を与えたと言っても、固有の財産をもっていない時代には、女性が契約違反したからと言って、訴えて勝訴判決を貰っても、強制執行するべき財産がないのですから、実際的には意味がなかったのです。
商業活動活発化以前には、まとまった財産獲得手段の多くは相続でしたから、明治の家督相続時代には、原則として(例外的に相続する場合もあります。)女性にはこれといった財産がない仕組みでした。
明治までは結構女性の相続が多かったので、相続以外に財産取得原因のない時代には、庶民の男よりも財産のある女性の方が、今考えられている以上に立場が強かったのです。
今は、昔と言えばすべて明治の制度を基本に考えて(フィルターを通して)、その前はもっと女性の地位は低かったと思い込んでいるだけです。
明治以降の女性が何も持たない時代には、夫名義の契約でなければ、相手方は不安ですから、契約に応じないのは仕方がないでしょう。
しかも明治民法では、妻の無能力まで規定していましたから、完璧(名実ともに)に女性は法的能力を奪われていました。
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