04/04/07

権利移転と恩恵7(民法188)公信力2

親子だけでなく、会社でもそうですが、殆どの犯罪は社内や関係者が起こすものです。
凶悪な殺人事件でさえ、家族内や恋人、あるいは元従業員など関係者が起こすことが圧倒的に多いのです。
このように無関係者の文書偽造は滅多にないのですが、その点は、私だけの感想ですから、人によっても印象が違うでしょう。
こうした水掛け論は別として、何か不都合があったときにできるだけその取り引きがなかったことにしようとする法思想と、できるだけあったこと・・契約を有効にしようとする法思想かの観点で分類したらどうでしょうか?
そのような分類で言えば、日本の法体制は、出来るだけ物の移動を無効にしようとする思想・・その背景には家の財産の流出を守ろうとする傾向が顕著ではないでしょうか?
民法が出来たのは、明治29年ですが、この当時のわが国の社会状況としては、まだまだフローの収入に頼るよりも、先祖代々の資産で地位を保っている人の方が多かった時代です。
言うまでもなく、家の制度は、近代的なフローの収入を前提として出来上がったものではなく、先祖代々の資産=不動産を基礎として成立っていたのです。
これが都市労働者が中心の時代が来た大正期以降、戦争で負けなくとも実質的に破綻していったのは当然です。
家父長制の破綻については、04/04/05「都市労働者の増加と家父長制の矛盾2(厄介の社会化1)女性の地位低下2」その他各所で書きました。
先祖代々の土地を切り売りするのを没落と表現し、その反面として売主・・土地所有者の地位が高い時代で、売ってやると言う時代だったのです。
ドイツから近代的な登記制度を導入したものの、肝腎の公信力を採用せずに(元の権利者に責任があろうとなかろうと所有権を失うものに対する保護重視です)土地保有者の恣意的選択権だけ保護しているアンバランスになっている根拠を考えれば、当時の我が国の社会状況・・所有者の優越性と所有権を失わないようにする・・その保護重視思想によるのだと理解すれば、分かり良いのです。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資