04/04/07

不動産登記法7(権利証から登記識別情報へ)

ここまで権利証と言う言葉を使用して来ましたが、登記が終わると原因証書や申請書副本に、登記が済みましたと言う印を押して返してくれるものを、一般的に登記済み権利証と称しているのです。
これは有価証券でも何でもないのですが、登記制度の前身である地券制度の名残もあって、世の中では権利証と言う表現が一般化していたのです。
地券制度については、03/29/04「沽券から地券へ1(大化の改新と明治維新の類似性)」以下の連載と06/23/04「沽券の余談、(売買証文)(英米法の場合)」で紹介しました。
ちなみに、平成16年(17年3月施行)の登記法の改正で、今では新規に権利を取得しても権利証を貰うのではなく登記識別情報と言うコード番号を貰うだけになりました。
権利証だと盗まれたりするのに対して、コード番号は記憶するものであって盗みようがないでしょうと言う変な理屈です。
記憶は盗まれないでしょうが、普通の人は一回買った土地をもう一度売るなどと言うことは一生にもう一回あるかないかと言うことですから、買ったときに法務局で貰った番号を40年も50年も覚えていられる人の方が稀でしょう。
結局は忘れないように、その番号を書いて貸し金庫か何かに入れておくしかないのですから、従来の権利証を貸し金庫に入れてあったのを(高齢化して)管理している息子が持ち出すのと殆ど同じでしょう。
じゃあ、過去に貰っている権利証はどうなるかと言うと、今までどおり添付書類として使えますので、言うならば新法以降の取り引きから徐々に変わっていくと言うことでしょう。
登記の議論をしているのですから、この際、改正登記法を紹介しておきましょう。

不動産登記法(平成17年3月7日全面改正法施行)

第二十一条 登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。
ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。
(登記識別情報の提供)
第 二十二条 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。
(事前通知等)
第 二十三条 登記官は、申請人が前条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、法務省令で定める方法により、同条に規定する登記義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは法務省令で定める期間内に法務省令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。この場合において、登記官は、当該期間内にあっては、当該申出がない限り、当該申請に係る登記をすることができない。
2  登記官は、前項の登記の申請が所有権に関するものである場合において、同項の登記義務者の住所について変更の登記がされているときは、法務省令で定める場合を除き、同項の申請に基づいて登記をする前に、法務省令で定める方法により、同項の規定による通知のほか、当該登記義務者の登記記録上の前の住所にあてて、当該申請があった旨を通知しなければならない。



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