04/03/07

権利移転と恩恵3(民法184)登記の対抗要件1

非合法に財産権を取得する方法には、窃盗や強盗、横領、恐喝などいろいろありますが、これらが犯罪行為として禁止されていて、集団規模の戦争以外には、贈与以外に他人間での合法的移転方法がなかったのです。
民法の所有権や占有移転の方法と順序には以下に紹介するように、贈与・売買の次に交換が来ますが、歴史上発生の順序は、贈与の次に売買が始ったのではなく、売買よりも交換が先であったでしょう。
第5節以降は所有権の移転ではなく、占有の移転・・利用権だけの移転形態を順に定めたものです。

民法
第2章 契約
第1節 総則 (第521条〜第548条)
第2節 贈与 (第549条〜第554条)
第3節 売買 (第555条〜第585条)
第4節 交換 (第586条)
第5節 消費貸借 (第587条〜第592条)
第6節 使用貸借 (第593条〜第600条)
第7節 賃貸借 (第601条〜第622条)

実際には、物や技術は偏在しているものですから、人類の最初のころから交換と言う方法が考案されて、他人間で合法的所有権その他の移転が出来るようになりますが、この場合にも所有権や物権のように強力なものではなく、契約上の権利として始めて登場するものです。
その後に売買による所有権移転も出て来ますが、貨幣を仲立ちにするようになっただけで、物のあるところとないところでの所有権の移転と言う意味では、物を交換するための行為としての経済的本質は変わらないでしょう。
交換して欲しい方、売って欲しい方が一生懸命頼み込んで、相手が承知してやっと交換や売買が成立するものですから、この方式はあくまで現在保有しているほうが、その気になるかどうかのキャスチングボウートを握っている仕組みです。
バブル崩壊までの土地売買は、まさに不動産屋がお百度を踏んで、農家から売ってもらうものでした。
これら権利移転の方法が、民法中の契約法に編纂されていることから分かるように、一旦オーケーしても実際に物々交換が完了しない限り、相手の気が変わると「物」を欲しい方の立場はかなり弱い仕組みです。
現在でも土地売買では、所有権移転登記されるまでは、2重売りされても最初の買主は後から買った買主が先に登記してしまうと
    「自分が先に買っていたから自分に寄越せ」
と主張できない仕組みです。

民法
第177条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成16年法律第123号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
(動産に関する物権の譲渡の対抗要件)
第178条 動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。



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