04/02/07
権利移転と恩恵2(民法183)時効の意義1
世の中の秩序が所有権を軸に出来上がってからの時間が長く、誰かが一度所有権を取得するとこれを合法的に取得するのは相続・・世襲と贈与が原則で、それ以外の移転方法が長い間なかったのです。
贈与の場合は恩恵そのものですし、相続の場合も今のように相続人が法定されておらず、長子相続と言うのも江戸時代にやっと定着した程度のことですし、中国では歴代皇太子の冊立は、長子とは決まっていませんでした。
こう言う時代に、後継者(皇太子)に指名されるのは恩恵以外にはなかったでしょう。
では、最初のどのようにして所有権を取得するのかというと、無主物先占の理論で原始的所有権取得を始めることを、01/28/07「世界平和38(資源の国際管理2)無主物先占1(民法178)」のコラム以下で紹介しました。
取得時効制度も、今になると学者によっていろいろ合理的説明がなされますが、元はと言えば、無主物先占に近い現象を合法化したものが始まりでしょう。
制度趣旨がいろいろ言われているだけで、今でも、時効取得は承継取得ではなく、原始取得の一種とされているのはその表れです。
20年(または10年)以上も真の所有者・・すなわち前主・・持ち主が現れなかった以上は、無主物状態に近かったからではないでしょうか?
民法
第2節 取得時効
(所有権の取得時効)
第162条 20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2 10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
(所有権以外の財産権の取得時効)
第163条 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い20年又は10年を経過した後、その権利を取得する。
(占有の中止等による取得時効の中断)
第164条 第162条の規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断する。
第165条 前条の規定は、第163条の場合について準用する。
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