04/28/06

精神病者の対策(心神喪失者医療観察法)2

この鑑定意見に対し、検事は、
    「強制しなければ、自分で入院するかどうか分からないのに、とんでもない意見だ」
という立場で、担当検事に任せられないと思ったのか部長検事まで出てきて、準備手続では激論になりました。
鑑定医師は骨のある人で、(その道の代表選手でしたから当然です)そのまま鑑定意見は変わらず、審理の結果、結局裁判所が入院を命じない審判を出してくれたのです。
事件終了後、2ヶ月ほどして家族に電話してみると、本人はすでにかなり快復していて、もう退院しており、本人が電話にも出て、元気にお礼を言われました。
事件を担当してみると、法制定時の争点ではなかったのですが、入院設備は重装備(逃走防止方面の予算が多く)過ぎて、しかも、治療プログラムとしては画一的なものしか、用意してなかったのです。
(東日本と言う広大な範囲で、東京の武蔵野病院がひとつ予定されているだけで、それも、法制定後急ピッチの工事で完成しつつある状況と言うありさまでした。)
精神病と言っても、いろいろの病態の病人がいるのに入院すると、画一的な処遇(凶暴で暴れ廻るような人向けの)しか用意されていない事が分かったのです。
表向き適正な治療を施すと言う立法理由での説明とは、裏腹に、政府としては危険な狂人に対する、保安制度だという姿勢が、そこに現れているのでしょう。
法制定時にいくら高邁な議論しても、実際の受け皿となる新設病院の工事計画・・具体的な病院システムの設計が、治療よりも隔離目的で作られていたのでは、何にもなりません。
心神喪失者と言っても、私の担当したような一過性の精神病者から、完全な所謂狂人にいたるまでいろいろなパターンがあるのに、これら中間的な多種多様な病人に対する処遇施設としての、施設の設計・・・建物だけでなく人員配置を含めてと言う意味です)自体に問題があったことが第1号事件を担当して分かったのです。
精神病者と言っても、いろいろな段階・パターンがあるにもかかわらず、当面このような画一的な状態にある入院設備しかない以上は、心神喪失で無罪になったからと言って、次は、入院させるしかないと決め付けるのは危険です。
少し良くなってきたときに、家からの通院をどするのかなど問題もありますが、国の方は、そうした配慮を全く考えていないシステムのようです。
永久に閉じ込めておくつもりなのでしょうか?
私の担当したような関連治療の受け皿があるのか?とか、個別事件ではいろいろな問題があるのです。
・・しかもその入院内容が一律ではなく、その個人にあった治療が出来るかどうか(どの病院がどのようなプログラムを用意できるのか)のデータを集めたうえで、その意見を、弁護士としては主張して行く必要があることが分かりました。
当然そのためには、弁護士も一般精神病院での入通院処遇プログラムと本法による処遇の違いに精通しておく必要があります。
早速、今年からの千葉の司法修習生(83名です)の精神病院見学・・・講義コースに、現役弁護士の参加も呼びかける予定です。
見学先の病院には、この方面の講義もお願いしました。



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