04/01/06

市場競争社会とは1(ES細胞データ捏造疑惑)

03/28/06 「ブッシュの戦争1(イスラムとユダヤの貿易規格争い1)」以下、先月末までに連載したアメリカ型の市場競争万能主義の展開(ブッシュの戦争)は、これまで以上にさらにゲゼルシャフト=利益共同体的競争心理の純化・・強化を目指すものと言えるでしょう。
アメリカ型市場万能主義の浸透・強化につれて、いよいよ精神的に苦しい人が世界中で増加するのではないでしょうか?
市場万能主義といえば、
      「ホリエモンのような、お金に絡む分野だけか?」
と気楽にこのコラムを読んでいる方がいるかも知れませんが、そうではなく市場・・・金儲けに関係のなさそうな学問でも政治でも、芸術でも、或いは我々弁護士でも、すべての分野で、飽くなき・・とどまるところのない競争を要求する思想なのです。
この飽くなき競争思想があるからこそ、東大教授によるリボ核酸の研究発表でのデータ捏造疑惑の発生や、もう少し前に大騒ぎになった韓国の教授によるES万能細胞捏造の誘惑が生じるのです。
昔なら、すでに一定の地位・・東大の研究所のセンター長にまでなっている教授が、虚偽の発表までする動機付けがなかったはずです。
我々弁護士世界では、今のところは、一定の年齢になれば、新しい挑戦への参加を呼びかけられても、
     「もう俺は、そこまでしなくともいいよ!」
と言う形で、気楽に断っている人が多いのです。
昔から一定の地位についた人が信用されるのは、ギラギラした欲から解放されているので、「不正行為まではしないだろう」という社会的合意があったからです。
飽くなき市場競争社会になると、いくつになっても、一定の地位が出来ても、いつも新しい実績が要求されるので、無理が生じるのでしょう。
学問には既にその萌しがあって、折角築いた(前記のとおり、東大のセンター長にまで出世しているのです)学者生命を棒に振るリスクくがあっても、データ捏造してまで業績発表をしたくなるほどの圧力が生じているのでしょう。
これから、大学や研究所が独立法人化して市場競争?に曝されると、もっともっとニセ研究発表への誘惑が激しくなるでしょうから、一流学者の発表もまともに信用できないことになってきます。
世の中、誰も信用できない社会が到来しているのです。
こうしたデータ捏造による論文の禁止や、懲罰を重くすることに意味があるのではなく、そこまでみんなが追い詰められている社会心理こそが問題なのです。
滑稽なことですが、そのうちロボット以外は信用できないと言う時代が来るかもしれません。



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