04/25/05

内縁11(内妻の相続権2)

重婚的内縁にもいろいろあって、たとえば、倒産等で逃亡中の逃亡地で、現地妻みたいな関係になる夫婦?は結構多いのです。
何か失敗して第2の人生を始めた場合、過去について語りたがらないものですから、互いに過去に触れないで来たみたいな夫婦関係で、その後それなりに生活が安定することもあるのです。
こうした場合には、事実上の再婚夫婦には子供のいないことが多く、相続権の有無や年金受給権は深刻な問題です。
配偶者の相続に関しては、07/11/03「老人の再婚5(相続)」と2003年5月18日の「遺留分とは7」以下のコラムで、もう少し事情に応じた区分けをすべきだと書きました。
内縁の妻についても、相続権が有るかないかの極端なわけ方でなく、具体的事情によって、大まかな区分をするべき時代がきているのではないでしょうか。
重婚的内縁の場合でも、戸籍上の妻と2者択一でなく、遺族年金と同様に事情によって、割合的にすべきではないでしょうか?
今は、全く認めない硬直した相続法制・不正義の修正として最高裁まで巻き込んだ遺族年金受給権の拡大の動きとして理解すべきでしょうか?
内縁であれなんであれ、つれあいにとって、(すなわち大方高齢者です。)遺族年金受給権は相続よりも実質的に重要な意味があるのです。
(大きな土地を取得できるか否かよりも、日々の生活費の供給は老人にとっては重要です。)
この重要な部分である遺族年金について重婚的内縁であっても認める判例の流れは
  「ここまで来た以上は相続権の改正にまで進む」
のか、それとも
  「老後生活保障に重要な年金受給権さえ認めればいいだろう」
と言う落ち着きで終わるのか?気になるところです。
話が横へ行き過ぎますので、近親婚禁止違反の内縁の話に戻しますと、これまで紹介したように、遺族年金支給権では、裁判例で地殻変動が続いているのですが、これらの動き・時代の流れが、近親婚禁止に関する判例変更に結びつくのかどうかも知りたいところです。
ただし、昭和60年の最高裁判例は、非合法内縁を一律に問答無用で否定しているのではなく、
「およそ将来においても、法律上有効な婚姻関係に入りうる余地のない内縁関係を、反倫理的でないと解することは出来ない。」
と言うだけであって、重婚的内縁は将来正式離婚の可能性が法的にあるのですから、この最判の基準とは矛盾しないのです。
叔父姪の関係は永久に変わることがないのですから、60年最判の基準で言えば、実情がどうであれ許されない範疇になりそうです。
ただ、判例の形成は、形式的には最高裁で決着がつくようですが、実際は、地裁・高裁の大きな流れがあって、最高裁で追認していくことも有るのです。



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