04/24/05

多様な夫婦?16・・・内縁10(内妻の相続権1)

内縁の妻には一切相続権を認めない法制の根拠を考えてみますと、相続財産の殆どが家産であった時代には、家の外にいて家産形成・維持に関係のない内縁の妻に相続権を認めないのは合理的だったといわれています・・・?
実は、私に言わせればそれは観念的な意見であって、物語に出てくる妾宅のような事例は人口の100に一つもないはずです100人に1人もそんな大金持ちが発生できないのですから、あったとしても1万人に一人でしょうし、その金持ちがみんながみんな妾宅を構えるわけでもありません。
  (法律概念としても、内縁と妾や愛人とは違うのです)
こうして、実際多くの夫婦は、内縁だろうと戸籍上妻だろうと妻の働きがなければ成り立たないのが普通です。
現在のような共働き社会到来以前の専業主婦が妻の大方を占める時代は、歴史上稀有の僅かな期間に過ぎません。
農村社会では、むしろ女性の労働力が期待されていたことは、04/01/05「夫婦別姓20(庶民の家の内実の変遷と女性の地位低下1)農村の衰退1」以下10〜20回にわたって連載してきました。
ですから現政府が、新憲法下でも内妻に相続権を一切認めないのは、内妻の寄与分が少ないからというのではなく、明治政府の戸籍制度の定着を目指す思想を受け継いでいるからでしょう。
これまで書いているように、お上の言うことを聞かない者には、法の保護を一切与えないと言う原理です。
07/08/03「戸籍制度2(管理の思想)」や、04/14/05「夫婦別姓26(公証の時代3・・・住民基本台帳法2」のコラムで書いて来ましたが、戸籍や住民登録その他管理思想は、戦後も戦前も全く変わりがないどころか今の政権方がもっと熱心ですし、その他各種思想の共通性から、現政権の基本的性格は明治政権の亜流であると私は思っているのです。
(住基ネットワークも膨大な予算を使っているものの、市民の利用が殆どないのですから市民にとって何のメリットがあるのか分っていません。国民管理がかなり進んだことは確かでしょう。)
まして、今のように男女共に外で働いて収入を得るのが原則で、しかも長寿社会になってきますと、内縁だから(お上の秩序を守らないからと言う理由だけで)一切相続権を認めないと言うのは、社会正義に反する事態になってきます。
例えば、30台半ばで別居してから、内縁の妻といっしょになってその後に、内縁の妻の働きと合せて家を購入したような場合や、自営業で倒産して別居し、又は離婚した場合(倒産するとどう言う訳か妻は離婚したがるのです。金の切れ目が縁の切れ目と言う人が多く、私の事務員も驚いています。)その後に内縁関係になってから勤め人になり、年金加入資格を得た場合、戸籍上の妻との別居後、内縁の妻との同居期間のほうが長いなどの事情など、いろいろなパターンが増えてくると、事情が変わってきます。
また重婚的内縁ばかりでなく、正式離婚した後の内縁でも内縁である限り相続権がないのですから、50年近くも一緒に連れ添ったのに、いきなり先妻の息子などが相続人として出てくるのでは正義に反すること明らかでしょう。
いかなる事情があっても、法律上の妻でない限り、内縁の妻が住んでいる家の相続権その他が全くなくて、見ず知らずの先妻の息子が突如出て来て全部相続するのは非合理=社会正義に反するでしょう。



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