04/24/05

多様な夫婦?15(重婚的内縁と遺族年金受給権2)

私に言わせれば、新聞記事だけでみる限り、今の判例法のもとでは離婚請求すれば、簡単に離婚が認められる事例であったと思われますが、実際形骸化していたからこそ敢えて裁判までする実益を感じないで放置していただけではないでしょうか?
裁判までして離婚を求める実益がないのに裁判までしてしまうと、折角妻が住んでいる宿舎から追い出されてしまう事になります。
  「そこまですることはない」
という思いやりで来ただけであった可能性があります。
(私が離婚訴訟の相談を受けても、「やりすぎだよ!やめておきな」といって説得し、年金受給権や相続問題での工夫を進めるでしょう。)
今になれば、官舎や社宅はあまり喜ばれませんが、別居した1978年当時から昭和の終わりころまでは、無料に近い社宅や官舎に住んでいられるのは大きな特典でしたし、大きな生活保障になっていたのです。
夫は別居後も別居した妻に誠意を尽くす(生活費の仕送りなどは、内妻の意見でそうなっている場合も大きいのですが、そうした面倒をみ続ける)と、却って遺族年金の受給権が内妻になくなる結果となる横尾裁判官の倫理観はおかしいように思います。
ただし、以上は新聞報道でしかないので、もしかしたら、横尾裁判官は、私の言うような掛け金の期間をみると戸籍上の妻との別居前と内妻同居後とどちらが長いとか、その他別居に至った事情、その後の経過などの実情を中心にして反対し、加えて、過去の判例基準に反しているではないかと言ってみただけのことだったかもしれません。
新聞の場合は、新聞記事を書く人が、その中から気に入った論点を書き出すだけですから、本当のところはわからないというわけです。
事実報道のように見えても、どこを抜き取るかは新聞社次第ですから、実際は、新聞社の意見と言うところかも知れません。
ところで、遺族年金受給権問題は、煎じ詰めれば内縁の妻の相続権のあり方にも絡んでくるでしょう。
何しろ、庶民(自分は違うという人もいるでしょうが、勤労せずに食べていけるような何十億以上の資産家以外はといってもいいでしょう)にとっては、遺産と言っても、働かずにそれだけで一生安楽に暮らせるほどのものがないのが普通です。
そうだとすれば、長寿化との関連で生涯受給し続けられる遺族年金は、広い意味での遺産の大方を占める可能性すらあるのです。
4月21日の日経夕刊記事の紹介に出ていた内妻は、56歳と言うのですから、内縁の夫死亡時の2001年には52歳だったことになります。
女性は、今では90才前後まで生きるのが普通ですから、如何に巨額になるかが分るでしょう。
ところで、現在の民法では、事情如何にかかわらず、内縁の妻には一切の相続権がないことになっています。
ただし、誰も相続者がいないときには特別縁故者として、最後に貰えることは、10/28/03「特別縁故者(民法104)」のコラムで紹介しました。



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