04/24/05

多様な夫婦?14・・・内縁8(重婚的内縁と遺族年金受給権1)

昨日紹介した新聞報道の事件を考えますと、別居期間の長短や夫婦関係の形骸化というような形式要件だけで判断すると、年金掛け金支払い期間の大多数がどちらの女性との生活中であったかによっては不公平な結果となるでしょう。
もしも戸籍上の妻との同居中に殆ど支払っていたとすれば、年金受給権に殆ど貢献しない内縁の妻が全部取得するのは不公平な感じがします。
これが公的年金でなく、老後のために生活費の中から民間の生命保険会社に掛け金を支払ってきた場合に置き換えれば直ぐ分ることではないでしょうか?
このように考えていくと、問題は倫理違反とか言う変な基準によるのではなく、(公的年金は、国庫からの給付分もあるので、倫理が絡み少しややこしくなっているのです。)貢献期間によって、全部か全てではなく、6対4とか分類するのが公平だと思いますが如何でしょうか?
もっとも公的年金には、国庫金からの上乗せがあるので、上記のように倫理的要素を無視できませんが、倫理ばかりで決めるのではなく、むしろ貢献割合を基本として、倫理は1〜2割程度の修正要素にすべきではないかと言う意見です。
倫理を加味すれば、内縁の妻が貢献割合に倫理分を加味されることは、想像し難いでしょうから、戸籍上の妻が少し有利になる結果が多いでしょう。
夫婦別居期間の内容、それだけの手当てをしてきたか等の倫理要素を加味して、例えば貢献分が5割のときでも5分5分でなく6対4にするとか、4割のときでも5割の取り分にするとか・・・・いくらでも柔軟な解決法があると思うのです。
当然のことですが、私の意見はいつも1割多くと言うのではなく、基本は貢献割合とした上で、倫理違反の程度に応じた修正をしたらよいと言うだけです。
私の言う倫理要素と言うのは、法に違反しているかどうかと言う要素を完全に無視出来ないとしてもその部分は微弱なものとして、当事者間の関係に重点をおくべきだという意見です。
内縁の妻と知りあったことが、別居原因になったのか否か、別居の原因による区分け、その後十分な慰藉、生活保障をしてきたかどうかなど具体的事情を重視すべきだと言う考えです。
この点、前記新聞で紹介されていた横尾裁判官の、
  「死亡時まで、戸籍上の妻が大学宿舎に住んでいたことから、夫婦間は形骸化していなかったことを理由に、内縁の妻に支給するのは反対である」
と言う少数意見が紹介されていますが、これでは昭和58年最判の「夫婦関係の形骸化」という基準に形式的によっているだけであって,却って首肯しかねます。



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