04/23/05

多様な婚姻制度12(多様な夫婦?13・・・内縁7)(重婚的内縁2)

重婚的内縁であっても、法律婚の破綻と形骸化を条件として事実上生計を一にしている内縁の妻に遺族年金受給権があるという重婚的内縁に関する判例が積み重ねられているのです。
重婚的内縁は、刑法犯の未遂的形態ですから、未届けの中でも最も反倫理性が高いでしょうし、それに正式な妻が受給できないという現実の被害者がいるのですから、大変な事態です。
そうした場合でも戸籍上の妻でなく、内縁者に遺族年金支払いを命じる判例の集積が進んできたのです。
ただし、重婚的内縁者にも遺族年金受給権が認められていると言っても、一律にオーケーと言う訳ではなく、事情によるものと思われます。
各事例を詳しく知りませんので、(それぞれの判例を見れば分りますが、今はそこまでする気がないというだけです。)機会があれば、再度詳細な事例紹介しながら検討しましょう。
多分内縁関係が一定期間以上あって、その退職金や年金受給に大きく貢献していることなどが、最低限認定されているものと思われます。
重婚的内縁の受給権肯定例は、最判では、昭和58年から登場しています。
ところで、03/08/05「離婚の自由な社会5(破綻主義2・・・・女性が浮気した場合1)民法127」前後のコラムで紹介したように、有責配偶者からの離婚請求も一定の条件下で認められるようになって、(昭和62・9・2最大判)以来順次の判例でその適用場面が具体化しています。
この限定的破綻主義の判例理論でも、離婚が認められないような有責配偶者が死亡した場合にも、重婚的内縁者が遺族年金を受給できるかは別問題でしょう。
こういうように条件を考えていくと、少なくとも、現在の判例法で離婚が認められるような場合には、離婚請求をしないまま死亡したようなときに、重婚的内縁でも受給権が認められていると言えるかもしれません。
逆に言えば、離婚請求しても認められないような場合のまま、重婚的内縁関係になって、死亡した場合には、否定される可能性が高いような気がしますが、どうでしょうか。
たまたま、4月21日の日経夕刊に重婚的内縁の妻が訴えていた遺族年金受給権が、最高裁第1小法廷で21日認められたと出ていました。
どう言う場合に認められるのかの好例ですので、新聞に出ている限度(すなわち正確ではありませんが・・・。)ですが、紹介しておきましょう。
事件は、私立学校教職員共済に加入していた男性が死亡し、別居中の妻(75)と同居していた内縁の妻(56)の間で受給権をめぐって争われていたものです。
男性(大学教員)と戸籍上の妻は、1956年に婚姻したが、78年ごろから別居し、84年ごろから、内縁の妻は男性と同居し、2001年に男性の死亡するまで生計を1にしていた。
内縁の妻は遺族年金受給申請したがを修復する努力をしていなかった。
ことなどから、
      「婚姻関係は実体を失って修復の余地がないほど形骸化していた」
と指摘、他方内縁の妻は、
      「夫婦同然の生活をしながら、男性の収入で生計を維持していた上、」
      「男性が死亡するまで看護し続けた」
として、内妻に受給権を認めたらしいです。
ただし少数意見によれば、大学の宿舎には戸籍上の妻がずっと住んでいたとも書かれています。



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