04/23/05

認定死亡とその波紋(近親婚の習俗)

なお、兄死亡後、兄嫁が弟に再婚させられる慣習が、戦後幾多の悲劇・葛藤をもたらしたことは歴史の記憶が新しい(われわれ世代までしか知らないかも?)ところです。
今になるとおよそ60年も前のことですから、歴史上の事柄になりましたので、この機会に説明しておきましょう。
勝ち戦の場合は、負傷者や戦死者の収容をしながら進軍出来ますが、終戦前後を通じて、戦局の緊迫化、敗色濃厚下では、落伍した兵や戦死した兵士について、確たる証拠品の収集持ち帰りが、困難になる事例が発生しました。
(今でも遺骨収集団が結成される所以です。)
特に海軍関係では、艦船が全部沈没するのですから、敵方の捕虜として収容されたのか、海の藻屑になったのか不明になる確率が高いのですが、負け戦ですからその後の情報収集も出来ません。
そこで、認定死亡と言う制度が活用されたのですが、戦後ひょっこり帰ってくることが多かったのです。
妻が未亡人のままなら問題がないのですが、再婚している場合ややこしくなりのは当然ですが、そのなかでも前回コラムで紹介した弟や近親と再婚している場合には、その複雑性は倍加するのです。
他人と再婚している場合、どう解決するかは女性の一存に掛かっているのですが、それでも大変な悲劇です。
これが帰ってきた元夫の弟と結婚しているとなれば、弟の家督相続が無効になるのは仕方ないでしょうから、もう一度家の主人におさまるのは当然?です。
この関係も実際の解決は、すんなり行かないでしょう。
家の主人になっていた弟は、こうしたことがなければ、家を出て勤め人になるなどして独立していたり、或いは折角出ていたのに呼び戻されて家業に精出していたこともあるでしょう。
それがいきなり兄が生きて帰ったために自分の居場所がなくなりますが、今更兄が帰ったからと言って、外に働きに出るには時機を失してしまった場合も多いのです。
それに、他人との再婚の場合は、妻がどちらを選ぶかだけの問題ですが、兄弟間となれば、その後の交際がありますから、精神的にもその他の関係の複雑性が倍加したのです。
ここは内縁関係のシリーズですので、行方不明の場合の失踪宣告や、財産管理の問題は、別の機会に紹介することにし、内縁のテーマに次回から戻ります。



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